医療情報関係

くも膜下出血はなぜ女性に多いのか?

はじめに

脳卒中は脳梗塞脳出血一過性脳虚血発作くも膜下出血の4つの総称のことです。
この中で”くも膜下出血”以外は高血圧の人が罹患しやすいというデータと、女性より男性の方が罹患しやすいというデータがありますが、くも膜下出血は高血圧の関連が弱く性別では圧倒的に女性が多い疾患です(脳卒中データバンク2022より)。

今回はくも膜下出血に関する説明となぜ女性に多いのかという解説をしたいと思います。

【要約】
・くも膜下出血の多くは脳動脈瘤の破裂によるものである。
・エストロゲンが脳動脈瘤をできにくくしている。

くも膜下出血とは

脳を覆う3層の膜の隙間である“くも膜下腔に出血が起こった状態をくも膜下出血といいます。

(画像はイラストACより)

症状は激しい頭痛、意識障害、嘔吐があります。予後は他の脳卒中より不良で50%ほどが死に至るとされています。
合併症としての血管攣縮があると重症化しやすく予後不良となりやすいといわれています。
※血管攣縮とは:血管が細くなり虚血状態になること。

くも膜下出血の原因のほとんど(80〜85%)脳動脈瘤が破裂することより起こるといわれております。

脳動脈瘤と女性の関連について

女性ホルモンのエストロゲンは、血管壁に対する抗エストロゲン炎症作用があると言われています。

これにより脳動脈瘤ができにくくなっていますが加齢とともにエストロゲンが減少してくることから40〜50代の発症が多いと思われます。

○脳動脈瘤
脳動脈瘤は脳血管の枝分かれ部分に血流負荷がかかり、血管の壁が弱くなり形成される風船状変化をいいます。
これができる原因は明らかになってはいませんが、高血圧、ストレス、喫煙、遺伝などが要因として挙げられています。
症状はないことがほとんどですが、神経を圧迫することで症状(目がかすむなど)が出ることもあります。

くも膜下出血の予防

脳動脈瘤ができないようにすることご予防に繋がりますので、基本的には血圧管理や適切な生活習慣が予防になります。

また、脳ドックを定期的に受けるのも予防に繋がりますので家族に既往がある人は定期的に検査するのが良いと思います。

終わりに

以上でくも膜下出血の性差に関する記事でした。動脈瘤のできにくさに女性ホルモンの影響があるということのようですね。
やはりくも膜下出血は予防が第一ですが、万が一
発症し、その後遺症でお悩みの方はご相談ください。

lifefreak2020@gmail.com

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