リハビリテーション関係

重力と人間の関係

 はじめに

人間が地球上で生きている限り重力は切っても切れないものです。セラピーを行う上でも重力は無視できません。
今回は重力が人にどのような影響があるのかを解説していきます。

 重力とは

まず重力が何かというと、引力と遠心力の合力と言われています。
地球の中心部に引かれる力(引力)と自転に伴う遠心力の合力となるため、地球の場所によって微妙に重力は変わります。

地球上では、すべての物体には同じ加速度が加わります。これが重力加速度というやつです(9.8m/s2)。
つまり、空気抵抗を除けば物体は同じ側で落ちることになります。

 重力がないとどうなる?

宇宙空間には重力がないため物体は浮いています。地球には重力があるため、そこで生存している生物はそれに逆らうようにが働き姿勢を保っています。

そして筋が働くことでに刺激が加わり骨が丈夫になるのです。

また、重力がないと血液が全身にうまく回りません。血液循環を担っている自律神経や筋肉のポンプ作用により全身に血液が上手く循環しているのです。

あと、無重力下では平衡感覚を司る耳石への刺激がなくなるのと、無重力下では眼球の位置が変わり視力が低下するそうです。

よって、重力がない環境にいると

  • 筋肉の働きが低下し筋力低下が起こる
  • 骨への刺激が低下し骨が弱くなる
  • 自律神経の機能が低下する(立ち眩み、便秘などが起こりやすくなる)
  • 平衡感覚が低下する
  • 視力が低下する

などが起こる可能性が高くなります。

 重力と人の動きの関係

我々が地球上で動く際、重力を利用して動いています。
重力は引力と遠心力の合力ですが、ここでは簡単に重力を床方向に落ちる力とします。

立っている時は床方向に身体が落ちないように筋肉が無意識に働いています。

歩く時は、重力を利用したエネルギー(位置エネルギー、運動エネルギー)を利用し振り子のように行っています(小宅一彰ら,理学療法学,2010)。


(小宅らの論文より引用)

人は床方向に落ちる力(重力)に抗って動いています。

重力に抗わずに生活していると、筋力低下、骨密度低下、自律神経機能低下、平衡機能低下、視力低下などが起こり動けなくなります
これが生活不活発病(廃用症候群)です。

▓ おわりに

以上で重力の記事は終わりとなります。最後までお読みいただきありがとうございます。
宇宙飛行士が地球に帰還するとリハビリテーションが大変なようです。

我々は重力からは逃げられないため、日々重力に抗って動く事で生活不活発病を予防しましょう。

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