医療情報関係

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

はじめに

睡眠時無呼吸症候群の人は睡眠障害、日中の眠気などが起こり、身体だけでなく社会的な影響も出てくる疾患ですが、案外軽視されがちです。

今回は詳しい検査や治療に関する記事ではなく、ざっくり睡眠時無呼吸症候群を知りたい人向けの記事となります。

【要約】
・睡眠時無呼吸症候群(SAS)の自覚症状はいびき、日中の眠気などがあります。
・SASは肥満の男性に多くみられます。
・SASになると心不全、糖尿病、高血圧、運転事故のリスクが高まります。
・SASの治療の一つにCPAPがあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)とは、睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気で死に至ることもあります。

■種類
閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA):気道閉塞を伴う一般的なSASはこちら
中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea:CSA):気道閉塞を伴わないSAS。

OSAを疑う自覚症状は、いびき日中の過度の眠気睡眠中の窒息感とともに目覚めることあえぎ呼吸
存在、不眠他者から睡眠中の呼吸中断が報告されています。

CSAを疑う自覚症状は、疲労感夜間呼吸困難睡眠中の無呼吸の指摘が自他覚症状として報告されてますが、有用な特異的症状はないとされています。

■疫学
・ 30~40 歳くらいの若年層では女性 5%弱、男性 10%程度
・50 歳代の女性で 10%弱、男性で 10~20%程度
・70 歳以上の女性では 10%を超え、男性では 20%を超える
➡つまり、加齢に伴い起こりやすく、男性に多い疾患といえます。

■発症に関連する因子
・肥満:最大の危険因子
・性差:男性に多い
・年齢:70歳までは増加傾向にあるが、それ以降はプラトー
・生まれつきの骨の形態
➡特に肥満の人が発症しやすいとされているため、治療としてはダイエットも含まれることが多いです。

SASによる身体と社会への影響

睡眠時無呼吸症候群は以下の病気との関連があると言われています。

心不全:発症と憎悪に関連している。また心不全の人はSASが悪化する傾向あり。
糖尿病:SASになると糖尿病リスクが一般の人とと比べて1.62倍になると言われています。
高血圧:OSA(閉塞性睡眠時無呼吸) と高血圧は互いに合併率が高く、OSA 患者の約50%に高血圧が、高血圧患者の約 30%に OSA の合併がみられたという報告があります。

また、SAS患者は運転事故のリスクが高くなると言われています。

SASの治療としてエビデンスレベルが高いものとしてCPAPと呼ばれる酸素療法がありますが、これを行うことで運転事故のリスクが軽減するともいわれています。

■CPAPとは
CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)とは、機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。

おわりに

以上、睡眠時無呼吸症候群の記事となります。睡眠時無呼吸症候群かな?と思ったら、耳鼻咽喉科か呼吸器内科を受診することをお勧めします。地域によっては睡眠専門の外来を行っている医療機関もあります(参考サイト)。

【参考文献、参考サイト】
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020
Takeshi Matsumoto et al.Impact of sleep characteristics and obesity on diabetes and hypertension across genders and menopausal status: the Nagahama study.Sleep.2018
SAS対策支援センター
日本呼吸器学会ホームページ
無呼吸なおそう.com

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