姿勢関係

リュックサックは腰痛に関係があるのか?

はじめに

ある調査によると、20代以上の社会人が使用するカバンの種類は肩掛け、ショルダー(斜め掛け)が多く、リュックサックはその次のようです(リンク)。しかし、リュックサックは荷物運搬に肩掛けやショルダーより適していると言われております。

リュックサックは身体に良いということで使用している人も多いと思いますが、実際リュックサックを使用して腰痛が出現している人もいます。そこで今回はリュックサックと腰痛の関係について記事を書いてみたいと思います。

【要約】
・リュックサックが重いほど腰痛になりやすい。
・リュックサックを背負うことで姿勢が変化するが重いほど変化が大きい。

リュックサックと腰痛に関する情報

はじめに、リュックサックと腰痛に関する論文を3つご紹介します。

リュックサックを背負って通学している学生を対象とした研究報告によると、リュックの重さが4kg増すごとに腰痛のリスクが25%も増加するとのことです(PMID:20732580)。

また、9歳~14歳を対象とした報告でも、重いリュックを背負っている人ほど腰痛の有病率が高いとのことです。しかも、この報告では男性より女性の方が腰痛が多く、背の小さい人の方が背の高い人より腰痛の有病率が高かったそうです(PMID:14734974)。

Christa Devroeyらの報告によると、リュックサックが体重の10%以上の重さになると姿勢に変化が現れるため、重さは体重の10%以下に抑えることが推奨されています(PMID:17454090)。

つまり、リュックサックが重いと腰痛になる可能性が高まるということです。

リュックサックと姿勢の関係

次にリュックサックと姿勢との関係についてですが、上記のChrista Devroeyらの報告によると、リュックサックが重くなるにつれて

1)胸郭の屈曲の増加
2)脊柱起立筋の活動の低下と腹筋の活動の増加
3)骨盤の前傾の減少

がみられたそうです。ただし、この際リュックをかなり上部に背負った状態のようです。

一方で直井らの報告では、リュックサックを背負うと、若者、高齢者ともに骨盤前傾増加がみられたとのことです(直井ら,2007)。

よって、リュックを背負う位置によって姿勢が変化することが予想できます

また、腰椎への負担を考えると背中にぴったり接触させるのが良いと思われますが、上部が良いのが下部が良いのかはその人の脊柱の状態や姿勢の取り方によって変わるので一概には言えない部分になります。

まとめ

リュックサックが重いほど腰痛になりやすいのは経験則でも同じです。また、上記でも述べてませんが、背負っている時間が長いほど腰痛になりやすいのもありますね。

姿勢に関しては、万人が同じパターンを取ることがないと思われますので上記のようにはっきりしない結論にならざるを得ないのかなと思います。

とにかくリュックを使用する際は、なるべく重くせずに身体に近づけて背負いのが良いです。

 

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