▓ はじめに
加齢に伴い骨がもろくなり、バランスを崩して転んだりする機会も増えるため骨折のリスクか高まります。
高齢者がよく起こす骨折としては有名なものは大腿骨頚部骨折、椎体骨折、撓骨遠位端骨折ですが、今回は肋骨骨折を取り上げてみたいと思います。
▓ 肋骨骨折とは
肋骨は下の写真のように左右12本ずつありますが、下側の2本は短く胸骨についていません。
※上が前方から、下が後方からのもの
肋骨骨折は転倒や何らかの衝撃により起こり、上から4〜9番目の肋骨に起こりやすいと言われています。
Gurltの平均骨癒合日数によると、肋骨の癒合は3週と書かれていますが、これは個人差がありますし、若者に比べて高齢者は時間がかかることわ認識しましょう。
症状は基本的には骨折部の痛みですが、腕を上げる動作、深呼吸、体を捻る動作(寝返り、起き上がりなど)で痛みが強くなる傾向があります。
▓ 肋骨骨折に対する治療
まずは整形外科受診をしましょう。交通事故などの強い衝撃でたくさんの肋骨が折れて偏移しているケースを除き、基本的には手術などを行わない保存療法が基本になります。
◆保存療法の紹介
①ベルト、コルセットを巻く
骨折部はなるべく動かさないのが基本です。そのためにそこをある程度固定しておくとよいです(下の写真のようなもの)。
②鎮痛剤、湿布薬の利用
受診したら医師の指示通り、市販薬であれば使用量を守り使用しましょう。
③痛みの出る動き方をなるべく避ける
上記のような痛みが強く出そうな動作はなるべく避けましょう。しかし、寝返りなど無意識の動作は避けるのが難しいので、ベルトや服薬で緩和するのが良いです。
④下肢の筋トレ
肋骨部は安静にしますが、下肢の筋力トレーニング(スクワットなど)は行います。これを疎かにすると高齢者は治癒しても動けなることがありますのでご注意願います。
以上が主な保存療法になります。
▓ おわりに
肋骨骨折を発症した人を大変多くみてきましたが、皆様治癒してますのであまり不安になりすぎなくて良いです。ただし、経過とともに痛みが緩和しない、息苦しいなどがあればすぐに再受診してください。
◉画像はVisible Bodyより引用