▓ はじめに
股関節は骨盤の寛骨と大腿骨で形成される球状の関節です。この関節が不安定になると立位、歩行が不安定になります。
今回は股関節を安定させる要素の中でも筋肉に着目した内容を書きます。
▓ 股関節の安定化に必要な要素
股関節に限らず関節の安定に1番重要なのは関節の形です。適合性が高い(骨同士の接触率が高い)関節ほど安定しています。
次に寄与するのは、関節包と靭帯です。股関節は適合性がそれほど高くないので、これらの役割は大きいと思われます。
その次に重要なものが筋肉になります。今回は5つ紹介致します。
①インナーユニット
骨盤がグラグラになると股関節は安定しませんので、お腹をコルセットのように包む筋肉(腹横筋、腹斜筋、胸腰筋膜など)がしっかり働くことが股関節の安定化に寄与します。
②深層外旋六筋
深層外旋六筋(梨状筋、外閉鎖筋、大腿方形筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋)は股関節の安定化に重要とされている、いわゆる股関節のインナーマッスルです。
※下の写真の水色は梨状筋で、外閉鎖筋は最も奥にあるため写真では見えない。
③中殿筋後部
直立位で股関節をやや外旋することで、大腿骨わ骨盤に近づける役割があります。
※写真は中殿筋。後部とは半分より下側。
④大腿直筋反回頭
大腿直筋は大腿四頭筋の中の一つです。下の写真では分かりにくいですが、大腿直筋は下前腸骨棘と大腿骨頭の近くの寛骨に付着するため、股関節の安定化に寄与します。
⑤腸腰筋+外閉鎖筋
最後は腸腰筋と外閉鎖筋肉のセットです。これらは股関節を前後から挟み込み股関節の安定化に寄与しています。
※写真の水色小腰筋。
▓ おわりに
これ以外の小臀筋、内転筋群なども股関節の安定化に寄与するという声がありますが、今回は個人的に重要だと思うものを紹介しました。また、骨形態、関節包、靭帯、筋肉以外にも、筋膜、脂肪、皮膚なども安定化には寄与しています。
最後に、股関節の安定化のトレーニングに関しては別の機会に紹介したいと思います。
◉当記事の写真はアプリVisible bodyより引用