医療情報関係

若い男性に多い腰椎椎間板ヘルニアについて

はじめに

腰痛は大変多い症状ですが、その中でも腰椎椎間板ヘルニアは良く聞くと思います。今回はそれについてのまとめをガイドラインを参考にまとめてみたいと思います。

【要約】
・腰椎椎間板ヘルニアは問診、身体所見、画像から総合的に判断して診断される。
・職業によって腰椎椎間板ヘルニアになりやすいものがあり、他にも喫煙もリスク因子として挙げられる。
・治療の基本は保存療法だが、手術療法が適応になる場合もある。

腰椎間板ヘルニアとは

腰椎椎間板ヘルニアとは腰椎の間にある椎間板の中にある髄核というゼリー状の物質がはみ出て神経を圧迫して、腰や臀部の痛みや下肢の痺れが出現するものです。

以下の図は腰椎を横から見たもので左側が半分に切った図ですが、黄色いものが神経(脊髄)で水色が椎間板です。

疫学的には手術が必要な重症なものは20~40代の男性に多いと言われており、好発部位は L4/5 と L5/S1です(ガイドラインより)。

◎診断
以下の図のように問診、身体所見、画像から総合的に判断して診断されます。

腰椎椎間板ヘルニア発症に影響を与える因子

◎職業
ヘリコプターのパイロット宇宙飛行士医師および医療従事者職業による身振動の曝露(運転手など)時間の余裕がない労働環境の人がリスクが高いとされています(ガイドラインより)。

◎喫煙
喫煙者の相対危険度は 1.27 で男性も女性も共に統計学的に有意に腰椎椎間板ヘルニアのリスクが高い。また、喫煙経験者よりも現喫煙者のほうがよりリスクが高く,喫煙量が多いほどよりリスクが高いとされています(ガイドラインより)。

◎BMI
・BMIが高い(肥満)人が手術に至った人が多い(ガイドラインより)。

◎遺伝性
若年性の腰椎椎間板ヘルニアは遺伝性の影響が強い(ガイドラインより)。

治療

治療は大きく分けると、保存療法薬物療法、手術療法になります。原則は保存療法となりますが、重症度や本人の希望などを考慮してそれ以外の治療を選択していくことになるのが一般的です(ガイドラインより)。

◎保存療法
髄核が自然吸収される目安が3か月なので、その期間は保存療法になることが多いです。
理学療法の質の高いエビデンスはありませんが、腰椎安定化トレーニングを行うことが改善しているケースがあります。
コルセットも効果がある人もいますが、痛みを緩和するエビデンスはありません。

◎薬物療法
急性期では痛み止め(非ステロイド性抗炎症鎮痛薬など)が使われることが多いです。
神経根性疼痛を有する患者に対して神経根ブロックを含む硬膜外腔への局所麻酔薬の注入は一般的に行われている治療である

◎手術療法
手術的治療は保存的治療を一定期間行っても改善しない場合に適応となりますが、重篤な運動障害や馬尾障害が出現した場合,症状の重症度と時間的要素が重要となり早期に手術を行うことが望ましいことがある、とのことです(ガイドラインより)。手術は以下のようなものがあります。

椎間板摘出術
・ヘルニア摘出術
・髄核摘出術
・固定術

終わりに

以上で腰椎椎間板ヘルニアの記事は終わりとなりますが追記で2つ述べておきたいと思います。

1つは腰椎椎間板ヘルニアは画像所見で認められても症状がないひともいるということです。割合は忘れましたが加齢に伴いヘルニアの割合が多くなります。

2つ目は手術療法として再生医療もあります。ただし研究段階のためすでに行われている医療機関でも自費(保険外)となるため高額なのが難点です。今後、効果が認められると保険診療となる可能性もありますね。

最後に理学療法的には腰椎の前弯が少ない人がなりやすいので、日ごろから座りすぎに注意し適宜脊柱を動かすことが重要かと思います(私見)。

 

▮参考文献
腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021

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