医療情報関係

糖尿病が骨格筋に及ぼす影響について

はじめに

糖尿病は世界的に西暦2000年には 1 億 5,100 万人でしたが、2009 年には 2 億 8,500 万人に増加し、 2019 年には 4 億 6,300 万人に達している疾患で、今後も増加が予想されています(参考文献①)。

糖尿病は様々な疾患のリスクがあるので予防と治療が重要になります。
今回は糖尿が骨格筋に及ぼす影響についての記事になりますので、よろしければ最後までお読みください。

【要約】
・糖尿病患者はTypeⅠ線維が少ない傾向あり。
・糖尿病患者は筋肉量が減少する可能性あり。
骨格筋について

まず、骨格筋に関する情報を簡単にお伝えします。
以下の表のように筋線維はTypeⅠとTypeⅡに分かれます。
全ての筋肉でTypeⅠとⅡが存在しますが割合が筋肉によって異なります。一般的にはTypeⅠは深部筋や単関節筋に多く、TypeⅡは表在筋や多関節筋に多いです。


(参考文献②)

糖尿病と骨格筋の関係

2 糖尿病患者の骨格筋では、Type Ⅱb 線維の割合が高くType I 線維や TypeⅡa 線維の割合が低いと言われています(参考文献②)。
また、筋線維の周りには酸素や栄養分を送る毛細血管が分布していますが、2 型糖
尿病患者の骨格筋では筋線維タイプに関係なく毛細血管が少ないともいわれています(参考文献②)。

つまり、糖尿病患者は筋の持久力が低下しやすいため疲れやすくなると推測できます。
また、TypeⅠ線維は深部筋に多い筋線維なので関節の安定性が低下することも推測できます。

さらに糖尿病患者は、骨格筋周りの毛細血管が少ないことから筋トレをしても筋肉が生成されにくい可能性もあります。
2019年の神戸大学の報告によると、糖尿病患者は筋肉量が減少する言われているので糖尿病は筋肉に悪影響を及ぼすといえます(参考文献③)。

おわりに

糖尿病は予防するに越したことはありませんが、予防を意識していても糖尿病は遺伝やストレスでもなりうるので、致し方なく罹患してしまう可能性がある病気でもありますので、罹患した場合は治療が重要になります。

治療は、①運動 ②食事 ③薬物療法 の3つが重要になりますので、罹患した場合は専門家に相談するようにしましょう。

 

【参考文献】
①中神朋子,日本内科学会雑誌 110 巻 9 号,2013
石原 昭彦ら,糖尿病と骨格筋,糖尿病 .2008
③Yu Hirata,et al,JCI Insight. 2019

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です