▮はじめに
パーキンソン病は手の震えや動きの鈍さが現れる疾患で、レビー小体型認知症は幻視の症状がある認知症で、これらはレビー小体病と呼ばれています。
両者ともに発症の原因は不明と言われていますが、発症の10~20年前からある症状が出現すると言われています。
この記事ではそんな話をしていきます。
【要約】 ・発症 10~20 年前から便秘、 睡眠行動異常症、嗅覚低下などの前駆症状(prodromal 症状)を呈する。 ・パーキンソン病の5~10%は遺伝性。 ・パーキンソン病のリスクを増強させる因子は便秘、気分障害、殺虫剤暴露など。
▮パーキンソン病・レビー小体型認知症の前駆症状
レビー小体病(パーキンソン病・レビー小体型認知症)は症状の発症 10~20 年前から便秘、 睡眠行動異常症、嗅覚低下などの前駆症状(prodromal 症状)を呈すると言われています(参考文献①)。
参考文献①によると、50 歳以上の 2,726 名の受診者の 5.7%にあたる 155 名が、便秘、睡眠行動異常、嗅覚低下のうち2 つ以上の前駆症状を有しているレビー小体病ハイリスク者であることが明らかになったと述べています。
また、ハイリスク者はうつや日中の眠気もみられたとのことです。
次はパーキンソン病で報告されているリスク因子について述べていきます。
▮パーキンソン病のリスク因子は?
これは良く聞かれる質問なのですが、一般的には遺伝性でない孤発性が多いと言われています。
しかし、5~10%は家族性の遺伝によるものと言われています(参考文献②)。
▮パーキンソン病発症のリスクを増加させる因子
遺伝的な関与が強く考えられる因子を除くと関連の強い順は、
・便秘
・気分障害
・殺虫剤への曝露
・頭部外傷の既往
・農村生活
・β ブロッカーの使用
・農業従事
・井戸水の飲用
とのことです(参考文献②)。
▮おわりに
以上のことからレビー小体病のリスク因子で分かっているものはありますが、予防できるものは限られていますね。
殺虫剤や井戸水などは避けられますし、便秘や気分障害は早期治療しておくのが良いのかもしれません。
また、レビー小体病は薬物療法が有効なので、レビー小体病かな、と思ったら早期に神経内科を受診することをお勧めします。
【参考文献】
①