▮はじめに
令和3年(2021年)は新型コロナウイルスとオリンピックで終わった一年間でしたね。
この年は出生数は81万1604人で前年より 2 万 9231 人減少しておりますが、 死亡数は143万9809人で6 万 7054 人増加しており、全体的に人口は減少しています。
この記事では厚生労働省が出している人口動態の資料の死亡原因について述べていきたいと思います。
【要約】 ・令和3年の死亡原因は悪性新生物、心疾患、老衰が多かった。 ・老衰がここ10年で急激に増加している。 ・若者の自殺者数は増えている。
▮日本人の死亡原因(令和3年)
令和3年の日本人の死亡原因は、
1位 悪性新生物 26.5% 2位 心疾患 14.9% 3位 老衰 10.6% 4位 脳血管疾患 7.3% 5位 肺炎 5.1% 6位 誤嚥性肺炎 3.4% 7位 不慮の事故 2.7% 8位 腎不全 2.0% 9位 アルツハイマー型認知症 1.6% 9位 血管性及び詳細不明の認知症 1.6%
です(参考資料①)。
ここからは私見を含む分析になりますが、以下のグラフをご覧ください。
(参考資料①)
上記のグラフによると悪性腫瘍と心疾患は年々増加傾向にあり、老衰がここ10年くらいで一気に増加しています。
また、誤嚥性肺炎は平成29年より項目に追加されていることもあり、肺炎が一見減少しているように見えますが、肺炎と誤嚥性肺炎を合計すると死亡原因は4位となり、脳血管疾患が5位となります。
ちなみに、この脳血管疾患は年々減少傾向にあるます。
悪性腫瘍は加齢とともに発症しやすいため、長生きしている日本人で多いのは仕方ないと思われます(参考サイト②)。
脳血管疾患の死亡者数が減少しているのは医療の進歩の影響かと思います。
老衰が一気に増加したのは、長寿国になっていることと在宅での死が増えたことや徹底した医療管理によるものがありそうですが、定義について確認したほうが良いと思うので次に定義について説明します。
▮老衰とは
厚生労働省が出している死亡診断書記入マニュアルによると、死因としての「老衰」は高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いるそうです(参考資料③)。
症状でいうと動けない、食べられないなどが続き、覚醒している時間が減少していき徐々に死に至ることです。
▮おわりに
ここまで死亡原因の上位のものに焦点をあててきましたが、最後に無視できないのは、男女ともに10代~30代の自殺者が多くなっていることです(参考資料①)。
これは新型コロナウイルスによる行動制限や収入面の不安定による影響もありそうですね。
来年の死亡原因もそこまで大きくは変わらないと思いますがどうなっているか、そして10年後20年後はどうなっているかは気になるところですね。最後までお読みいただきありがとうございました。
【参考資料】
①厚生労働省,令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況(リンク)
②国立がん研究センター(リンク)
③厚生労働省,死亡診断書マニュアル(リンク)