リハビリテーション関係

変形性膝関節症が痛くなるのはなぜ?

はじめに

膝痛でお悩みの方は多いですよね。
高齢者の膝痛の場合、多くが変形性膝関節症と診断され、膝の痛みの原因は「軟骨がすり減っているから」と言われることが多いですが、実は別の理由があるので今回はそのことについて書いていきたいと思います。

【要約】
・変形性膝関節症の痛みの原因は神経や血管の侵入、炎症、中枢性感作など様々な原因がある。
・変形性膝関節症の保存療法は減量、運動療法、葬具、物理療法などがある。
・膝痛といっても変形性膝関節症以外のものもあるので要注意である。

変形性膝関節症の痛みの原因

変形性関節症 は、硝子軟骨(関節軟骨)や線維軟骨(半月板や関節唇など)の変性軟骨下骨の硬化,骨棘形成など代謝変化を伴う炎症性疾患です。

関節軟骨に血管や神経がないが痛みを感じるのは、以下の理由があると考えられられています(参考文献①)。

①骨棘に血管や神経が侵入する
②滑膜の炎症
③過剰な負荷による骨髄浮腫
④神経障害性
⑤中枢性感作(参考記事はこちら➡
下行性疼痛抑制系の機能異常

少し難しいですが、上記のような生理的な現象により痛みが生じると考えられています。

簡単に言うと、変形性膝関節症の痛みは、炎症による痛み、神経による痛み、脳の誤作動による痛みということのようです。

変形性膝関節症に対する保存治療

ここでは一般的に言われている保存治療を紹介します(参考文献②)。

①患者教育、減量
②運動療法
足底挿板療法,装具療法,膝サポータ
④物理療法
 温熱療法、電気療法

上記の治療は保存療法と言われている手術をしない場合の治療ですが、手術をした場合には筋力強化関節可動域訓練も有効と考えられています。また、痛み止めなどの薬物療法も併用することが多いです。

変形性膝関節症と類似した疾患

膝が痛い場合の多くは変形性膝関節症ですが以下に類似疾患を記載します(参考文献③)。

①関節リウマチ
 血液検査が参考になる。

②痛風、偽痛風
突然の発症が特徴。

特発性大腿骨内側顆骨壊死
 内側に突然生じる痛み。
④脆弱性骨折
 骨粗しょう症に多い。

おわりに

今回、痛みの細かいメカニズムは割愛していますが、膝痛といっても様々な原因があり、変形性膝関節症とは限らないという部分が大事かと思います。

【参考文献】
石黒直樹ら,日本ペインクリニック学会誌,2020

木藤信宏ら,理学療法学,2016
津村弘,日本内科学会雑誌,2017

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