▮はじめに
骨粗しょう症は全世界で2億人以上、日本では1280万人(女性980万人、男性300万人)が罹患していると言われている代謝性疾患です(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より)。
今回の記事では骨粗しょう症のリスク因子についてまとめています。
【要約】
・骨粗しょう症は遺伝性と後天性の影響がある。
・骨粗しょう症は大腿骨頸部骨折、椎体骨折、橈骨遠位端骨折のリスクを高める。
・リスク因子は喫煙、飲酒、ビタミンD不足、カルシウム不足、運動不足などが挙げられる。
・若いうちから予防しておこう!
▮骨粗しょう症とは
「骨粗しょう症は,骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し骨折の危険性が増大する疾患である(WHOより)。」
診断としては骨密度を指標としており、骨密度が少ない状態が骨粗しょう症です。
骨粗しょう症は40~80%が遺伝性ともいわれていますが、ライフスタイルなどの後天性の影響も大きいと言われています。
骨粗しょう症になると骨折のリスクが高まるが、特に以下の3つが多くなると言われています。
〇大腿骨頸部骨折
〇椎体骨折
〇橈骨遠位端骨折
▮骨粗しょう症のリスク因子
次に骨粗しょう症のリスク因子ですが、W Tański らの報告を下記に紹介します。
・ビタミンD不足
・喫煙
・飲酒
・カルシウム摂取量低下
・リン摂取量低下or過剰
・タンパク質不足or高タンパク質食
・コーヒー飲み過ぎ
・座り過ぎ生活、運動不足
・日光浴不足
(W Tański et al. Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2021)
【薬物治療】
・ビスフォスフォネート系薬剤
・カルシウム
・ビタミンD3
・デノスマブ
・テリパラチド
・ラロキシフェン
・ラネール酸ストロンチウム
などがあります。
▮骨粗しょう症の予防
予防は上記のリスク因子に気を付けると良いです。
若年期の骨密度に対する栄養素の摂取量(カルシウム)と身体活動の介入(荷重がかかる運動)が骨密度の獲得に重要とされています(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版より)。
中年からは上記の予防対策に加え、リスク因子である喫煙、飲酒を控えると良いです。
特に女性は閉経後に骨密度が低下する傾向にあるので、予防を徹底すると良いでしょう!