リハビリテーション関係

脊柱管狭窄症のリハビリテーションについて~ガイドラインを参考に~

はじめに

私は理学療法士として働いている15年以上経過しますが、今まで腰部脊柱管狭窄症の患者さんをたくさん見てきました。
世の中には脊柱管狭窄症で悩んでいる人はたくさんおり、大日本住友製薬の大規模調査によると国内に約240万人もいるとされています。
70歳以上では50%が罹患するという報告もあるくらいよくみられる疾患です。

今回はこの脊柱管狭窄症に関するリハビリテーションについての記事を簡単にまとめましたので、よろしければご参考下さい。

«要約»
・脊柱管狭窄症は下肢や臀部の痛みや痺れの症状のみでなく、QOL低下にもつながる疾患である。
・ガイドラインによると運動療法は推奨レベルが比較的高い。
・腰椎の前弯が強くならないようなストレッチや筋力増強運動が大事。
・運動以外(睡眠、生活指導、内部状態)への配慮も大事である

脊柱管狭窄症とは、、、

脊柱管狭窄症とは、簡単に言うと背骨の中の脊髄が通る穴が変形により狭くなることで、腰から下肢にかけての痛みや痺れ歩行障害を生じる疾患です。

【診断】
以下の①~④を全て満たすと脊柱管狭窄症と診断されることが多いようです。

①殿部から下肢の疼痛やしびれを有する。
②殿部から下肢の疼痛やしびれは立位や歩行の持続によって出現 あるいは増悪し,前屈や座位保持で軽快する。
③歩行で増悪する腰痛は単独であれば除外する。
④MRIなどの画像で脊柱管や椎間孔の変性狭窄状態が確認され,臨床所見を説明できる。

また、脊柱管狭窄症の人はQOLが低い傾向にあるそうです(参考文献)。
特に以下のものがQOLの低さに影響し、が特に影響しているそうです。

立っていること⭐︎
◎睡眠⭐︎
◎痛みの強さ
◎座ること
◎身の回りのこと
◎物を持ち上げること
◎性別
◎乗り物での移動⭐︎

つまり、身体のみでなくそれ以外の要素も脊柱管狭窄症の症状に影響しています。
次に脊柱管狭窄症に対するリハビリテーションの具体的な内容を紹介します。

脊柱管狭窄症のリハビリテーション

腰部脊柱管狭窄症ガイドラインによると以下のものが治療として紹介されており、右にエビデンスレベルを記載します。

◎薬物治療  A〜B
運動療法  B
装具、物理療法  D
ブロック療法   A〜B
マニュピレーション D
手術療法  B

(ちなみにエビデンスレベルはA>B>・・・・いう順番で推奨度が示されています。)

ガイドラインによると薬物療法・ブロック注射は効果が高いようですが、葬具・物理療法(電気、温熱など)、マニュピレーション(徒手療法)の効果は万人には効果が期待できないようです。

次に薬や手術以外で効果が高いとされている運動療法について書きます。

【運動療法】
ガイドラインでは運動療法に関して以下のように書かれています。

◉運動療法を行うことを提案する.
専門家の指導下に行う運動療法は痛みの軽減や身体機能や ADL・QOLの改善にセルフトレーニングよりも有効である。
◉最適な運動療法の種類は明らかになっていない
◉除圧術(手術)よりも効果は劣るが、リスクは低く低コストであり重症例以外では推奨できる。

運動療法は個人的にも効果的だと思われます。
では、どんな運動が良いか?というのはその人の状態にもよりますが、一般的なものを以下に紹介します。

①下肢症状を誘発しないように前屈位姿勢をとるため、体幹‒下肢屈側の拘縮がみられることが多いため、同部位のストレッチ
※ストレッチの一例
②腰椎伸展(前弯)の増強で症状が増悪するため、腰椎前弯を減少させる背筋のストレッ
※ストレッチの一例
③脊柱の支持機構の強化のため脊柱筋の筋力増強運動
※筋力増強運動の一例
④自転車やサイクルマシン運動などの有酸素運動
※ウォーキングは腰が反る動きを助長するのでやるなら短時間が良いです

運動療法以外では、

・睡眠がしっかりそれるような生活リズムの構築
・腰に負担がかからないような動き方の指導や環境設定
・全身状態の管理
・外出や交流機会の確保

が重要だと考えます(私見)。

おわりに

脊柱管狭窄症の対象者のほとんどが高齢者なので活動レベルが低い方が多く、運動不足による身体機能低下、循環不良、自律神経機能低下などが起きていると思いますので、どんな運動を行うかよりまずは動くことが良いと思われます。
そして、内部状態(心臓、腎臓、血糖値、動脈硬化など)が悪いと痛みが出やすくなるので、内部状態の治療を並行して行うことが大事になると考えます。

私見も含む内容ですがぜひご参考下さい。

【参考文献】
・大日本住友製薬のホームページより
https://www.ds-pharma.co.jp/release/2010/20100910.html
宮﨑 寛史ら、腰部脊柱管狭窄症患者の健康関連QOLに影響を及ぼす日常生活機能面の因子理学療法の臨床と研究 第 24 号 2015 年
・腰部脊柱管狭窄症ガイドライン改訂第2版(案)
https://ssl.jssr.gr.jp/assets/file/member/topics/cervical_spine_201014.pdf#page144

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