医療情報関係

関節弛緩性(joint laxity)について考える

関節弛緩性とは?

一般的に、関節弛緩性とは全身の関節が必要以上に柔らかい状態のことです。
これは生まれつきのケースが多く、一般的に女性に多いと言われています。

判定基準

Carterらの5項目中の3項目以上陽性のものを関節弛緩性ありと判定するのが有名です。
男性では10歳以上が出現頻度にして20%もないが、女性では20歳以上でも約30%もあり、40歳ごろでも10%ちかくにみられるそうです。


つまり、関節弛緩性は女性に多く、年齢とともに軽減してくる傾向にあると言えます。

関節弛緩性は怪我しにくい?

一般的には、身体が柔らかいと怪我をしにくいと言われていますが、袴田の報告によると関節弛緩性があっても、筋肉が緊張しているタイプの人は怪我をしやすいとのことです(袴田さち子,2004)。

つまり、関節弛緩性だから良いという訳ではありません。

年齢と関節弛緩性との関係

佐々木の報告によると、
・年齢とともに全身での関節の弛緩性は低下した。
女性のほうが男性よりも全年齢にわたり関節の弛緩性は大きい傾向にあった。
・下肢よりも上肢のほうが年齢が増加しても関節弛緩性の低下はすくなかった(佐々木誠人ら、1990)。
とのことです。

関節弛緩性の人に対する私の経験談

ここからは経験談です。
上記のように、関節弛緩性の基準はあっても柔軟性が高い場合との区別はつきにくいのが現状です。
よって、昔から(生まれつき)かどうかを聴取すると良いと思います。

次に、関節弛緩性で手こずったケースを2つ紹介します。

①脳卒中の失調
これは関節が弛緩状態にあることで、関節がずれやすくなっているため、失調が強く出現しやすくなっていたと思われます。
この方は失調がなかなか改善しなかったです。

②関節弛緩性の腰痛
関節が弛緩していることで関節がずれやすくなっているため、腰椎がずれやすくなっていました。
それにより腰痛がなかなか改善しなかったです。

このように必ずしも身体が柔らかいのが良いという訳ではありません
関節弛緩性がある人は生活上は特に支障がありませんが、場合によっては大変になることもあります。
参考になれば幸いです。

※筆者のサロン➔https://www.reha-me.com/

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