▮「痛みのある箇所に湿布を貼って効果あるの?」
この質問をよくされます。
ここでは、痛みを緩和する湿布の効果と使い方について説明していきます。
内容は科学的なものだけでなく、私見も含みますがご了承ください。
▮湿布の成分
痛みを緩和する湿布は非ステロイド抗炎症薬(インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナクなど)で、NSAIDsと呼ばれており、炎症を抑えて痛みを緩和する効果があるとされています。
次にこのNSAIDsを用いた研究をいくつか紹介していきます。
【記事の要約】 ・急性期、慢性期の疼痛共に、湿布は痛みの緩和に効果あり。 ・湿布の効果は1~2週間があるが、それ以降は効果不明。 ・ビタミンE配合がおススメ。
▮急性期、慢性期における痛みに効果があるか?
1998年のMooreらの報告によると、
・捻挫が外傷に対する痛みの緩和に効果あり
・変形性関節症などの慢性的な痛みの緩和に効果あり
と報告しています(Moore RA,1998)。
もう少し最近の論文(2015年)で成人を対象としたものを紹介します。
急性期に湿布の効果があるかどうかを調べたものですが、Mooreらの報告と同じく鎮痛効果ありという結果となり、経口薬と同等の効果と述べられています(Sheena Derry.et al,2015)。
▮湿布は長期的な痛みの緩和に効果があるか?
1~2週間は痛みの緩和に効果はあるが、それ以降の効果は証明できないとされています。
また、痛み止めの経口薬と比べると副作用が多そうですが、差は証明できないと述べられています(jinying Lin,2004)。
▮湿布の使い方
次に鎮痛作用の湿布の使い方について説明してきます。
NSAIDsの湿布として有名なものは以下のようなものがあります。
・ボルタレン
・フェルビナク
・バンテリン
他にもたくさんあると思いますが、効果にどのくらい差があるかは分かりません。
個人的にはビタミンE配合の湿布がおススメです。
・サロンパス
・フェイタス
ビタミンEを勧める理由ですが、
ビタミンEには、
・血行促進作用
・ホルモンバランスを整える作用
・老化を防ぐ抗酸化作用
・血管の老化を防ぎ体内で発生する過酸化脂質の増加をおさえる作用
があると言われている為です(第一三共ヘルスケアホームページより)。
特に長引き痛みは血行が悪くなっていることが多いので、ビタミンE配合の方が良いと考えています(私見)。
▮皮膚に合わない場合がある
湿布をはることで皮膚が荒れてしまう人がいます。
それも商品によって合う合わないもありますので、皮膚に合うものを選択しましょう。
正直、使ってみないと分かりません。
▮温湿布、冷湿布はどちらが良い?
よく温湿布、冷湿布の違いを聞かれますが、効果に違いはないのでお好きな方で良いと思います。
▮おわりに
以上、湿布の記事となります。
痛みの緩和には湿布は効果があるとい言えます。
「痛みのある箇所に湿布を貼って効果があるか?」
の私の答えですが、長引く筋肉や関節の痛みに関しては、湿布を使い痛みの緩和を図るは良いですが、並行して運動やストレッチを行っていく必要がある、あくまで湿布は痛みの緩和なので、根本的には身体を変えていかないといけない、となります。
ご拝読ありがとうございました。
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