医療情報関係

牛乳は身体に良いのか?~給食に必要?~

はじめに
私は牛乳が苦手です。
しかし、昔から身体に良いから飲め、という指導を受けてきました。 

何年か前から、牛乳は身体に良くないという話をする医師や研究者がいましたが、2020年の発表された牛乳の論文のレビューがかなり面白いので紹介したいと思います。
投稿された雑誌は世界4大科学雑誌と賞されるNEJMなので、かなり信頼性も高いものだと思われます。

【記事の要約】
・牛乳は身体に良いという訳ではないという報告が多数ある。
・給食に牛乳は昭和29年の法律以降決まっており、平成29年時点では小学校の98.7%が牛乳を出している。
・牛乳が身体に合わない子もいるので、そろそろ見直しても良いのではないか。

牛乳と健康の関係

①骨密度との関連

これに関しては、牛乳と股関節の骨密度は関係がないと述べてられています。

②ヨーグルトと健康の関係

ヨーグルトなどの発酵乳製品は、腸内細菌に影響し健康上の利益をもたらす可能性があるが、あくまで可能性である。

③心疾患、脳血管疾患との関連

牛乳は冠動脈性心疾患や脳卒中の発生率および死亡率と明らかな関連は報告されていない。

④糖尿病との関連

1型糖尿になりやすいと言われていたが、はっきりした証拠はなし。
2型糖尿病のリスクは低くなるという報告がある。

⑤がんとの関連

乳製品の摂取は乳がん、前立腺がん、その他のがんの発生率と相関がみられる。
結腸直腸癌にはなりにくいという報告がある。

まとめると、
牛乳を飲んでも、骨は丈夫にならないし、長生きするわけでもなく、むしろ乳がんや前立腺がんにはなりやすくなるかもしれない、ということですね。

給食に牛乳が出るのはなぜ?

学校は、学校給食法(昭和29年)に従って給食の内容や実施回数などを文部科学省に届け出なくてはなりません。
この法律に牛乳をメニューに入れるように書かれているようです。
日本乳業協会によると、昭和39年から1年を通じて牛乳を飲むようになったそうです。

昭和29年は1954年という戦後の時代です。
たぶん終戦直後は食糧不足だったことから、カロリーの高いものを提供していたと推測できます。
よって、牛乳が選択されたのかもしれません。

平成29年の農林水産省のデータ(資料)によると、学校での牛乳の普及率は、

小学校 98.7%、中学校 87.8%、夜間高校 62.7%、特別支援学校 84.6%、 全体で 94.0%

とのことです。小学校でも牛乳を出していない学校もあるんですね。

おわりに

私の子供は、牛乳アレルギーがあり、去年までは給食時に牛乳を飲めませんでした(現在は飲めています)。それにより劣等感を感じていました。
また、乳糖不耐症という病気もあります。これは乳製品をとると下痢を起こすものですが、これを持っている子供にとっては牛乳はきついです。

この記事を書いていて思いましたが、そろそろ学校給食を見直してはいいのではないかと思いました。
牛乳はごはんに合わないし、身体に合わない子もいるので、基本的には麦茶でいいと思います。

※筆者のサロン➔https://www.reha-me.com/

≪参考文献≫
・Walter C Willett ,David S Ludwig ,Milk and Health,NEJM,2020
 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32053300/

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