▮はじめに
膝を痛めている人は大変多いです。
特に高齢者と接していると多いと感じます。
当サロン(https://www.reha-me.com/)でも多くお見受けします。
吉村によると、一般住民の膝痛の割合は32.7%(男性27.9%、35.1%)と高い割合で報告されています。
高齢化に伴い、今後も膝痛の割合は増えることが予想されます。
今回の記事では、膝痛の代表でもある変形性膝関節症に関する基礎的な知識をご紹介します。
【要約】 ・変形性膝関節症は日本人の約2300万人が罹患していると言われている。 ・変形性膝関節症になりやすい人は、肥満、女性、中年、手の変形、膝の外傷経験がある人である。 ・変形は身体の防御反応である。
▮変形性膝関節症の統計
変形性膝関節症は、軽い程度を含めると日本人の約2300万に罹患していると言われています。
統計としては中年の女性に多く、年齢としては40代以上が約97%です。
▮変形性膝関節症になりやすい要因
Hunterの報告によると、以下の要因が変形性膝関節症との関連が強いそうです。
・遺伝
・年齢
・女性
・へバーデン結節と手指の変形
・肥満
・高い骨密度
・外傷
・半月板損傷
・鏡視下半月板部分切除術後
・靭帯損傷・靭帯再建術後
・内反・外反弛緩性
・職業・スポーツ経験
・大腿四頭筋筋力低下
また、別の研究では特に関連があった項目は、
・肥満
・膝の外傷
・手の変形
・年齢
・女性
と述べています(M Blagojevic,2010)。
これらが当てはまる人は、変形性膝関節症になりやすいので気をつけましょう。
▮変形性膝関節の成り立ち
変形性膝関節症は中年以降に生じるものなので、長年の経過で完成するものです。
下の図のようにある部分に負荷がかかり続けていると、身体の防御反応として、そこに骨を形成します(骨棘)。
骨棘が形成されることで、その部分で支えることができるようになります。
基本的には骨が形成されると、その関節の形は治りません。
変形した後に痛みが出ている場合は、膝周辺組織(筋肉、靭帯、関節包、皮膚など)の影響か血管・神経の影響であることが多いと思われます。
▮おわりに
今回の記事は変形性膝関節症に関する基本的な内容になります。
膝が痛い方は運動やストレッチが良いですが、運動する際は痛みを我慢してまで行わないようにしましょう。
動画での説明はこちら
【参考文献】
・Hunter,2008
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17472995/
・M Blagojevic,2010
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19751691/
・理学療法診療ガイドライン
http://www.japanpt.or.jp/upload/jspt/obj/files/guideline/11_gonarthrosis.pdf
※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/