治療関係

舌と全身との関係について/嚥下、アナトミートレイン

はじめに
先日、Twitter(@andyou_andme@taberuhanasu@sasataaaaa)で舌について盛り上がっていたので勝手に討論に参加させて頂きました。
その時、私は昔購入した舌の書籍を思い出しました!

この書籍では、舌を上あごにつけると身体に良い、というような内容です!

上記の本はあくまで一般書ですが、Rosa di Vicoらの報告でも、舌の位置を上にすると下肢の筋力が向上したと述べられています(参考文献)。

この記事では舌の役割について簡単に述べていき、舌を上あごにつけることの重要性に関する私見を書きたいと思います。

【要約】
・舌は筋肉である。
・舌と握力、バランス、嚥下機能などは関係がある。
・舌を上顎につけると色々良いことがある。
舌とは

知らない人もいるかもしれませんが、舌は横紋筋です。一般的にいう筋肉です。
よって、舌の運動機能は訓練によって 回復や強化が可能で、ストレッチにより筋の拘縮を防止したり、柔軟性を高めることができます
参考文献)。

舌に関する学術的所見

舌が筋肉ということと、舌の筋力と下肢の筋力が関係えしていることは述べましたが、他にも舌に関する学術的な所見をいくつかご紹介します。

①舌圧(舌を上顎につける筋力)は加齢と共に低下する(林ら,2003)。
②舌圧と握力は相関している(齋藤 健太郎ら,2015)。
③舌圧の持続時間,最大値,順序性,左右バランスなどのパラメータの変化は,脳卒中,神経筋疾患,口腔中咽頭がんなど各疾患特有の舌の運動制御の異常と関連している(小野高祐ら,2017)。
④舌を上顎につけると不安定下での立位姿勢の安定性を高めることができる(Alghadir AH ,2014))。

舌に関する論文はたくさんありますが、ここに挙げただけでも十分に舌の重要性が分かると思います。

舌を上につけると良い理由(私見)

話は始めに戻りますが、舌を上顎につけると良い理由の私見を述べます(3つ)。学術的な話ではないので、興味がある人だけ見て頂ければ幸いです。

嚥下機能の問題
先ほど述べたように舌圧と握力に相関があるということから、舌圧は全身の筋力低下にも関係がありそうです。
舌を上顎につけるということは、重力に逆らって運動していることになります。
舌の動きは食べる時に重要なのでこの筋力が低下すると、嚥下に問題が出る可能性がある為、上顎につけるということは栄養を体内に入れる嚥下機能を維持する為にも重要と考えます。

 

頭部の位置の関係
下あごは頭ー首(紺色)にぶら下がっている構造物です。

舌で上につけることによって、頭-首が重力に負けないように下から支えていると考えています。
舌の力が低下すると頭ー首が重力に負けてしまうので、首の筋肉に負担がかかり様々な症状(肩こり、腕の痺れなど)が出る可能性があると推察しています。

アナトミートレインの深前線(Deep Front Line)の関係
深前線というのは、下に示した筋肉が強調して働くとされています。

<後脛骨筋・長趾屈筋・長母指屈筋>
<膝窩筋>
<後大腿筋間中隔・内転筋群>
<骨盤底筋膜・肛門挙筋・前仙骨筋膜>
<腸腰筋・腰方形筋>
<横隔膜>
<胸横筋>
<頚長筋・頭長筋>
舌骨下筋・舌骨上筋

舌は下顎(したあご)、舌骨、 または側頭骨と舌とを結び付けている筋群で全て左右対称に存在しています(参考文献)。
つまり、舌骨と舌はつながっていることから舌は全身の筋肉にも影響することが予想できます。

舌圧が低下すると、首、呼吸、足の筋肉に負担がかかる可能性がありますね。

おわりに
最後の私見はなんとなく読んでいただけると良いと思いますが、舌は全身と関わりがあるということが分かって頂ければ幸いです。
舌の筋トレは上あごにつけるだけで、簡便にできますので、今日からやってみることをお勧めします。

※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/

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