治療関係

脳卒中片麻痺の肩関節問題/リハビリ、自費リハビリ必見!

脳卒中になると多くの片麻痺になり歩行障害、言語障害、嚥下障害などが起こります。
これらの障害は麻痺の程度によって支障が出る度合いが変わってきます。
上記以外のことで意外と多く目にするのは肩関節の機能障害です。

この記事では脳卒中後の肩関節の問題について述べていきます。

【要約】
・脳卒中になると肩関節脱臼・亜脱臼になることがある。
・脳卒中片麻痺の約40%に腱板断裂があったという報告あり。
・脳卒中後は五十肩のような症状が出る人も多い。
・肩手症候群は脳卒中の約20%に起こると言われている。
脳卒中による肩関節の脱臼

脳卒中になると麻痺により上肢が脱力状態(弛緩状態)となる人がいます。肩関節はぶら下がっている関節の為、脱力状態になると肩関節が脱臼するような状態となります。そして、脱臼の程度が少ない状態と亜脱臼といいます。

肩関節の亜脱臼に対しては、電気療法を行い自分で腕を動かすことが改善に対して効果があると言われています(脳卒中ガイドライン)。

脳卒中片麻痺患者の腱板断裂

腱板断裂とは、肩関節を包むインナーマッスルが切れてしまう病態で、完全断裂と部分断裂に分かれます。

片麻痺患者32名の内、40%に腱板断裂があったという報告があります(Najenson T,1971)。
健常な人でも70歳以上の30%に腱板断裂があるとも言われておりますので、珍しい病態ではありません。

脳卒中後の肩関節周囲炎(五十肩)

脳卒中になり麻痺した側の腕は上がりにくくなる為、肩関節の部分で衝突(インピンジメント)が起きて、肩関節周囲炎になる人もいます(参考文献)。

五十肩に関しては別記事をご参照ください(こちら)。

肩手症候群

肩手症候群とは、心筋硬塞・脳卒中・頚椎症など老年期疾患に伴い、慢性に経過する疼痛と手指の萎縮、変形
拘縮です。
脳卒中後では20%に発症すると言われており、肩手症候群の疼痛に対しては、痛みの程度に応じてコルチコステロイドの低用量経口投与が勧められております(脳卒中ガイドライン)。

おわりに
端的ですが脳卒中後に起きる肩関節の問題をいくつか紹介しました。
歩行、言語、嚥下と並んで肩関節(上肢)も障害されやすいので、セラピストであれば肩は見ておくべきですね。
当サロンでも脳卒中の方を見させて頂いていますのでよろしければお越しください。

※慢性期の脳卒中リハビリに関するnote➔こちら

※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/

 

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