▮はじめに
メディアからの情報では、以前から「社会保障費の財源が足りない」という話を聞きます。
社会保障費とは、医療、介護、生活保護、年金、雇用などを税金で補填しているものです。
日本の社会保障費は年々膨らみ続けています。そして、その割合は年金と医療がほぼ同じで両方を足すと約75%を占めます(参考サイト)。
今回は医療費の削減の策の一つである入院日数の短縮に関する記事を書きます。
【要約】 ・医療費削減にあたり①生活習慣病予防の徹底、②平均在院日数の短縮を国は政策として掲げている。 ・平均在院日数の短縮の為に、①医療機能の分化・連携、②在宅療養の推進、③療養病床の転換支援の取組を行う ・平均在院日数は短縮傾向にあるが、他国に比べるとまだ長い。
▮医療費適正化の総合的な推進
国は医療費の伸びが大きくならないよう、生活習慣病(糖尿病等)の患者・予備群の減少、平均在院日数の短縮を図るなど、計画的な医療費の適正化対策を推進しています。
<医療費削減の対策> ①生活習慣病予防の徹底 ②平均在院日数の短縮
▮平均在院日数の短縮
医療費削減の為の対策の一つである平均在院日数の短縮ですが、病院での入院期間は年々短くなっています。
まずは平均在院日数短縮に関する国の基本方針を知っておきましょう!
<基本方針>
各都道府県は医療機関その他の関係者と協力の下、住民が疾患の状態や時期に応じた適切な医療を受けることができるよう、医療機能の分化・連携、在宅療養の推進、療養病床の転換支援の取組を行う。
<平均在院日数短縮のための基本方針> ①医療機能の分化・連携 ②在宅療養の推進 ③療養病床の転換支援
国は上記の3つを基本骨格とし、入院日数を減らすように試みています。
そのために病院から老人保健施設や居住系サービス施設(有料老人ホーム、ケアハウス等)への転換を支援するという流れがあります(参考サイト)。
平成29年9月中の全国の退院患者について、在院日数の平均である平均在院日数を施設の種類別にみると、
●病院➔30.6日
●一般診療所➔12.9日
となっており、病院、診療所ともに短くなっている傾向にあります 。また、年齢階級別にみると、年齢階級が上がるに従い退院患者の平均在院日数は長くなっています(参考サイト)。
▮他国との比較
上記のように日本の入院日数は徐々に短くなっていますが、先進国の中ではこれでも入院期間は長い方のようです(参考サイト)。
▮リハビリのニーズの増大
今後、日本ではますます在院日数の短縮は進んでいくことが予想されます。
それに付随して在宅医療の充実が必要になってきます。
さらに、医療の必要性はそれほどではないが、リハビリが必要な人が多くなることも予想されます。
ちなみに、医療保険では以下のようにリハビリは日数制限があります(令和2年2月時点)。
①脳血管疾患(脳梗塞、脳腫瘍、脳外傷など):180日 ②運動器疾患(骨折、人工膝関節術後など):150日 ③呼吸器疾患(肺気腫、肺炎など):90日 ④心大血管疾患(心筋梗塞、狭心症など):150日
また、介護保険では以下のようなリハビリサービスがあります。医療保険サービスとは異なり、日数制限は令和2年2月時点ではありません。
①訪問リハビリ(訪問看護ステーションからのリハビリを含む) ②通所リハビリ ③リハビリ特化型の通所介護
介護保険サービスに日数制限はありませんが、回数に制限(訪問リハビリは最大週120分)があったり、人員配置などの関係で十分なリハビリが受けられない施設が多いのが現状です。
※勿論、介護保険サービスで十分満足がいくサービスが受けられる施設もございます。
私の耳に入ってくる情報ですが、
「退院してきたけどリハビリが足りない」
「介護保険以外のリハビリをしっかり受けたい」
という声はよく聞きます。
▮おわりに
以上のことから、平均在院日数短縮の話から今後話まで飛躍してお届けしました。
今後、リハビリは保険内のサービスだけでなく、保険外サービスのニーズも増えていくと言われています。
保険外のリハビリサービスに関しては、法律の整備が今後しっかり整ってくると良いと思いますが、現状ではリラクゼーション、整体、ジムと同じようなサービス形態となります。
今後の話はあくまで予想なので、この先どうなるかは不明です。少しでも参考になれば幸いです。
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