視覚で情報の7~8割を得ている
というのを聞いたことがある人が多いかもしれません。
個人差はあると思いますが、視覚による情報が多く占めているのは間違いないと思います。
つまり、視覚はとても重要だということです。
また、最近はスマホの普及により目の使用が増えていると思います。眼精疲労による肩こり、頭痛などの方が多いのではないでしょうか?
そこで、今回は視覚についての知見を私見も含めてまとめたいと思います。
【要約】 ・左の空間は右の脳へ、右の空間は右の脳へ連絡している ・目から入った情報は脳の色々な部位を経る。目の運動は脳神経支配の6つの筋肉で行われる。 ・動眼神経は副交感神経である。つまり眼球運動は自律神経にも関わっている。 ・目は頸椎と連動して動く ・四肢、体幹だけでなく、目の動きも評価しておく良い
片眼で左右の空間を認識している
というのはご存知でしょうか?
下の図のように赤い空間と青い空間を片眼で網膜で感知し、視交叉でクロスして左右の脳にいきます。
半盲という症状がありますが、左右どちらかの脳が障害されると、半分の空間が見えないという症状になることがありますが、その理由は片目で左右の空間を見ている為です。
上丘、外側膝状体というのは中脳という部分に存在し、後頭葉は大脳の後ろの部分に存在します。
次に神経機構の話をしたいと思います。
眼の神経機構
眼から入った情報は、下の図のように脳の色々な部分に入ります。
外眼筋は、下の図のように、眼球を動かす6つの筋肉を指します。
外眼筋は、外転神経と滑車神経も関わっていますが、多くが動眼神経支配の為、と副交感神経の働きがあります!
これは重要なことで、眼球運動は自律神経にも関わっていると言えます!
この辺りの話は今回は割愛致しますが、経験的に不眠解消で眼球運動は使えます!
次に、先ほどから出てきている上丘が存在する部位である中脳についてですが、意外と重要視されていない脳の部分ですが、下の図のように重要な部分がたくさんあります!
網様体は迷走神経を介して呼吸や血圧コントロール、視床を介して覚醒等に関わっていますし、黒質は運動の調節に関わっていますし、赤核は屈曲運動や運動の微調節に関わっています。
さらに腹側被蓋野は報酬系といって運動学習などに関わっています。
動眼神経核もここに存在します。
※上丘側が背側
私見ですが、大事なものが詰まっている中脳にダイレクトにアクセスできるのが眼球運動になりますので、中脳を賦活させる手段になるのではないかと考えています。
眼球運動
色々な眼球運動を紹介したいと思います。
①サッケード:急速な眼球運動のこと。対象物の像を網膜中心窩に捉えるように働く。
②パシュート:追従眼球運動のこと。対象物の像を網膜中心窩に保持し続けるように働く。
③前庭動眼反射:頭 部運動の加速度を認知することにより発現する眼球運動であり、頭部の動きの反対方向へ眼球を動かすことで、結果的に眼球を空間に固定させるように働いている。
④眼振システム:景色を見ている時などに行っている眼振システム
生活の中で無意識に目は常に動いていると言えます。
※参考文献⇒★
眼球は頸椎と連動して動く
後頭下筋群を触ると分かると思いますが、眼球を動かすと筋肉の収縮を感じることができます。
寝返る時や歩行の方向転換の時は眼球と頸椎がカップルで動くことでスムースな動きがつくられています。
つまり、眼球の動きが制限されると全身の動きにも影響が出ると言えます。
眼球の動きを評価
四肢、体幹だけでなく、目の動き(眼球運動)も評価しておくと良いと思いますので、私が行っている評価方法を簡単に紹介します。
① 眼球の動き
頭部を動かさずに、左右上下、左右回りに動くかどうか、円滑に動くかどうか、を見ると良いです。
また、目を動かさずに頸椎の回旋を行えるかとうか、なども見ておくと良いです。
② 眼球の硬さ
眼の周囲を手で軽く押すことで目の動きをの柔軟性を見ることができます。ただし、触る前は説明をしてください。怪しまれるので(^_^;)
まとめ
● 視覚からの情報が多い為、視覚は重要
● 眼球運動は自律神経にも関与する
● 眼球運動は中脳を活性化する(かもしれない)
● 眼球運動が全身の動きに関与している
● 眼球の動きを評価するのも引き出しの一つとして良い
目の動きが改善することで歩行などの動きに反映される場合もありますので、ご参考にしていただければ幸いです。
※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/
<参考図書>
●筋骨格系のキネシオロジー
●プロメテウス
●理学療法・作業療法のための実践編BiNI Approach―運動の成り立ちから導く、治療をシンプルにする法則性
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