私は転倒予防に対する介護予防教室や転倒後のリハビリテーションでたくさんの高齢者と関わってきましたが、この記事では転倒に対する私の考えを述べさせて頂きます!
転倒要因、転倒での骨折リスク、転倒対策
の3点について書きたいと思います!
▮転倒の要因
■外的要因
在宅環境:段差、滑る床、足場のない床、手すりのない浴室など
■内的要因
・疾患:視力障害、前庭機能障害、中枢神経障害、末梢神経障害、筋障害、疼痛、起立性低血圧、呼吸障害など
・薬物の副作用
・アルコール
と大きく分けるとこのような要因が挙げられます。
▮転ばないでね!という声掛け
高齢者や疾病を罹患した者に対して、「転ばないでね!」とよく周囲が言いますが、これを過剰に言うと閉じこもりを助長します!
閉じこもりにより廃用による筋力低下や体力低下が起こります!
そもそも転ばないように意識しても転ぶときは転びます!
▮転倒すると骨折する確率は?
転倒すると骨折のリスクがあるので、骨折によるレベル低下の可能性がある為、それを恐れているのは分かります!
実際、骨折は要介護の原因では約12%を占めております。
そこで、こんな研究があります。
↓ ↓
https://www.jstage.jst.go.jp/
この研究は通所介護を利用する約8300名のデータなので、介護保険認定者のデータとしてはかなり信頼性が高いです。
【結果】
転倒する確率
男 :約 24%
女 :約 26%
転倒した者で骨折した確率
男 :約 4.5%
女 :約 12%
でした!
つまり、
転倒して骨折する確率
男 :約 1%
女 :約 3%
とかなりの低値!!
ちなみに骨折の中でも約10%を占めるのが大腿骨頸部骨折です。
これは特に要介護状態になりやすい骨折と言われています。
※ 参考文献 ⇒ ★
このリスクと廃用のリスクどちらをとるかは人によって異なります
転倒リスクにこだわりすぎて、生活を縛り、生活の質を低下させるような介入は避けたいところですね!
▮転倒対策
私は以下の4点が大事な転倒対策だと考えています。
■ 転倒しにくい身体をつくる ■ 転倒しにくい環境をつくる ■ 転倒しても怪我が少なくて済む身体をつくる ■ 転倒しても怪我が少なくて済む環境をつくる
■ 転倒しにくい身体⇒身体機能を高める、適切なメガネ、薬の調整 など
■ 転倒しにくい環境⇒手すりの設置、段差の解消、導線確保、目印の設置、椅子の設置 など
■ 転倒しても怪我が少なくて済む身体⇒柔軟性のある身体、反応性の良い身体 など
■ 転倒しても怪我が少なくて済む環境⇒床面の素材がクッション性あり、角張ったものを置かない など
この辺りの対策は各々異なりますので、個別に評価して何を優先的に考えるかを決めることが重要です!
※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/