姿勢関係

腰痛や肩こりの原因は【機能的脚長差】かも?

はじめに
左右の足の長さが異なる人って案外多いんです。

後ほど説明しますが、自分でも調べることができます。
多少の足の長さの左右差は問題になりませんが、この差が大きいと身体に支障をきたすことがあります。
この足の長さの違いを「脚長差」と呼びます。この記事では脚長差について書いていきます。

【要約】
・脚長差は構造的脚長差と機能的脚長差(改善可能なものを含む)がある。
・機能的脚長差の原因は、下肢、骨盤、背骨の影響が多い。
・機能的脚長差を放置しておくと、側弯症変形や性関節症などに移行する可能性がある。
脚長差とは

脚長差とは足の長さが左右で異なる事を言います。
発達途中の幼児や、骨折、術後、脱臼などによる脚長差は構造的脚長差といいますが、以下が原因で脚長差が生まれるものを機能的脚長差といいます(寺本,1992)。

【機能的脚長差】
①骨盤の傾斜
②脊柱側弯
③股関節の拘縮
④膝、足関節の拘縮

※赤丸の部位が1つだけのこともあれば、複数同時に重なることもあります。

構造的脚長差は骨や関節自体の問題なので改善が困難ですが、機能的脚長差は改善が可能なものが含まれています

機能的脚長差の影響
機能的脚長差を放置しておくと以下のような影響が起こる可能性があると言われています。

①片側の変形性股関節の30㎜以上の脚長差では患側凸の腰椎側弯が多い(森本,2010)。
②機能的脚長差は、歩行や走行に影響を与える(Gurney,2002)。
③機能的脚長差があると立っている姿勢、姿勢の揺れ、脊柱側弯症の発生率の増加、腰痛、股関節と脊椎の変形性関節症、股関節の不適合、および下肢に関与する応力骨折などに関与する(Gurney,2002)。

機能的脚長差を見る方法
私が行っている方法をご紹介したいと思います。
下の写真のような姿勢をとって膝の高さが異なる場合は、何かしらが原因で機能的脚長差が起こっている可能性があります。

※必ず踵の位置を合わせます!

また、他人に行う場合はしっかりとメジャーを使って計測するという方法もあります。

①ASIS(上前腸骨棘)~内果(内くるぶし)

②大転子~外果(外くるぶし)

構造的脚長差の場合、①②共に左右差が出ます
①が左右差あり、②が左右差ない場合は機能的脚長差の可能性があります。
・①が左右差なく②が左右差がある場合は構造的か機能的かどちらの可能性もあります。

機能的脚長差のアプローチ

機能的脚長差の原因は上記のように下肢、骨盤、背骨の問題によって起こることが多いです。
下肢の問題 ※骨変形、術後の影響は除く
・股関節、膝関節、足関節周囲の筋力(筋緊張)のアンバランス
・特定の筋肉の拘縮
骨盤、背骨の問題
・股関節、骨盤、背骨周囲の筋力(筋緊張)のアンバランス
・特定の筋肉の拘縮

が主です。

つまり、アプローチ
柔軟性向上:ストレッチ、マッサージ、リラクゼーションなど
筋力向上:筋トレ、ファシリテーションなど
となります!
例)股関節の内旋可動域低下していれば、外旋筋(大殿筋、梨状筋等)の柔軟性を高め、内旋筋の筋トレを行う。

おわりに

機能的脚長差は放置すると悪影響を及ぼす可能性がある為、改善可能なものは改善しておくのが良いと思います。
この記事を見て頂いた方の少しでもお役に立てれば幸いです。
また、お困りの方は当サロンでも対応させて頂きます。

※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/

<参考文献>
●寺本喜好ら、1992:https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1986/7/4/7_4_227/_pdf/-char/ja
森本ら,2010:https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/59/3/59_3_586/_pdf/-char/ja
Gurney,2002:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Gurney+leg+length+2002

 

 

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