脳卒中など発症し入院すると、入院中に補装具を作成することが多くあります。
ちなみに、装具は義肢装具士が作成する為、義肢装具士が所属する会社に依頼して作成します。
多くの義肢装具士は、つながりのある医師がいる病院や施設には定期的に訪問していることが多いです。
入院中は義肢装具士が訪問した時に装具を微調節したり作成するので良いですが、意外と退院してからが問題です。
「退院後、使用している装具の具合が悪くなった時や新たに装具を作成したい時はどうすれば良いのか?」
在宅ではこのような質問を多く受けます。
この記事では在宅で装具の調節や作成をどのような手続きで行ったらよいのか、ということを書いていきます。
▮装具の種類
まずは基礎知識として装具の種類を紹介します。
●治療用装具:訓練用の装具。各種保険適応。
●更生用装具:障害が固定されたと医師が判断した場合に作成する装具。障害者自立支援法(障害者手帳)。
入院中に作成された装具などは治療用装具となります。
▮装具の作成方法
作成方法は以下の4通りあります(著者調べ)。
①医療保険
②障害者手帳
③自費
④労災
多くの場合は①か②となりますが、軽度の修理は③で行ったります。④は私もあまり経験がありませんが、一応載せておきます。
①医療保険
医療保険を利用する方法は以下のようになります。
①自宅で生活していれば受診
②診断書(証明書)をもらう。医師から直接装具業者に依頼。
※医師の証明書(書類はこちら)
③採型、作成。在宅で行う場合や外来では作成まで1ヶ月くらい時間を要します。
④10割を装具業者に支払います。
⑤協会けんぽ等に装具業者からの領収書を添付して請求します。
⑥払いもどりがあります(7~9割)。
②身体障害者手帳
医療保険と比べるとかなり複雑な流れとなる為、作成までにかなり時間がかかります。
①役所の障害福祉課で申請書をもらう
②③指定医がいる病院を受診し意見書を記載してもらう
④⑤見積もりしてもらう
⑥申請書、意見書、見積書、障害者手帳、印鑑、マイナンバーを持って障害福祉課に申請しに行く
⑦市町村が都道府県に申請して、作成が有効か判断してもらう
⑧有効と認められれば決定通知、給付券が郵送される
⑨装具作成
⑩⑪利用者は1割負担、残りは区市町村が負担
③自費
この場合はシンプルに装具業者と利用者間でのやりとりとなります。自宅訪問してくれる業者もありますし、業者の事業所に訪問しないとできない場合があります。
「保険を使用しないで作成しても良い」ということであれば、10割負担となりますが基本的に作成はできます。
しかし、義肢装具士によっては保険を使用しない場合でも「医師に指示なしでは作成できない」ということがありますので、その場合は義肢装具士に応相談となります。
④労災
労災とは通勤・業務中に発生した怪我や病気のことを指し、労働者が加入している労災保険によって作成する方法です。
▮おわりに
在宅で装具を使用している方はたくさんいますが、装具に対する知識に疎い傾向があります。
装具に関しては地域のリハビリ職種が率先的に情報を流してほしいと思います。
経験的には、装具業者で自宅に訪問して作成や修理をしてくれるところは限られていますが、地域に1つくらいはあると思います。地域の義肢装具業者を事前に調べておくのが良いと思います。
下肢装具の耐久年数は金属支柱付のものは約3年、プラスチック式のものは約1.5年と言われていますので、装具を使用している人に関わる人は頭に入れておくと良いと思います。
当サロンでも脳卒中の方を対応しておりますので、ぜひご相談下さい。また、最後に参考サイトと装具関係の書籍を載せておきますので、よろしければご参考下さい。
※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/
【参考サイト等】
▧保険が利用できる装具の一覧はこちら➔★
▧補装具支給の流れ➔厚生労働省
▧参考資料➔補装具ガイドブック