医療情報関係

運動を集団で行うことによる効果

運動は身体に良いとわかっていながら、なかなか続かない人が多いですね。
自宅で1人で行うのは難しい為、集団ラジオ体操、ジム、ヨガスタジオなどに通うことを選択する人がいるんだと思います。
介護保険サービスの一つであるデイサービス(通所介護)も同じような理由で利用している人が多いです。

この記事では、運動を一人で行うことと集団で行うことを比較した研究を例に挙げて、集団で行うことの効果を述べていきたいと思います。

運動の効果に関する報告

運動が体に良い、という事に関して、まずはじめに運動の効果に関する報告をいくつか紹介したいと思います。

⚫︎腕立て伏せがたくさんできる人程、心血管疾患になりにくい
連続で41回以上腕立て伏せを行える人は、10回以下の人よりその後10年間心血管疾患になるリスクが96%も低い、という報告。

※参考文献

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2724778

⚫︎握力に関しては、様々な報告がありますが、ここでは1つ紹介します。
65歳以上の男女8,326人を対象としてミシガン大学の報告では、弱い握力とみなされるのは、男性は39kg以下、女性では22kg以下で、弱い握力のグループは、強いグループと比較して短命である確率が50%も高いという報告(ミシガン大学,2019)。
※参考文献

https://sph.umich.edu/news/2018posts/muscle-strength-mortality-082218.html

⚫︎心疾患を経験している中年以上の人でも、過去の身体活動レベルや確立された危険因子に関係なく、身体的に活動的になることで死亡リスクを減らせる、という報告(Alexander Mok,2019)。
※参考文献

  ↓
https://www.bmj.com/content/365/bmj.l2323

⚫︎心血管疾患の予防認知症リスクを減らす(Cécilia Samieri, 2018)、という報告があることから、運動することで認知症のリスクも減らすことができるとも言えます。
※参考文献

https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2697696

上記の報告以外にも運動に関する報告はさまざまあります。
上記をまとめると、運動をすることで病気になりにくくなり寿命が延びると言えます。
もう少し運動の効果について知りたい方はこちらの記事をご覧ください➡「高齢者にとって良い運動とは」

運動を集団で行う効果

次に集団で運動を行うことによる効果に関する論文を2つ紹介します。

●一人で運動する者と集団で運動する者(65〜84歳までの7759人)を比較すると、一人で運動するより集団運動の方が身体活動量が高く、精神安定性に有意な可能性あり(Seino,2019)。
※参考文献
       ↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30694973/

●一人での運動より他者との運動が精神的幸福にプラスの影響を与えた(Harada K,2019)。
※参考文献
       ↓
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31195882/

個別でリハビリを受ける方が良い、という考えの人もいますが、運動を継続して行うことと精神面に関しては集団の方が科学的に良いとされてます。
そして、私の経験では特に、高齢者は1人で自宅で運動を継続するのは難しい人が多い印象です。
自宅から出て集団の中で運動をすることで笑顔が増え、結果的に身体機能面も向上した人を沢山見てきています。

おわりに
この記事では集団の運動が良いという内容が中心でしたが、集団が向いている人、個別が向いている人など個別性がありますので、集団が必ず良いとは言い切れません。

集団による効果を頭に入れた上で、集団での運動を勧めることは専門家としては重要だと考えます。
尚、デイサービスに嫌悪感がある方がいますが、この手の論文を提示することで納得する人がいるかもしれませんので、集団の良さをサービス提供側が知っておくのは有益だと思います。

最後に、
運動を行う際、道具を使用せずに行うのも良いですが、フォームローラーバランスボールなどの道具ががあると運動のバリエーションが増える為、飽きずに行えて集団では盛り上げる要素にもあるのでおススメです!参考までに!

※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です