▮はじめに
一般的には歩く時は踵から地面に接地しますよね。
歩行の教科書にはたいがいこう書かれています。
実際、自分自身が歩く際も踵から地面に接地している為、これには異論はありません。
今回は必ずしも教科書が正しいとは限らないという話の一例として
【記事の要約】
・踵接地のメリットは推進力を高めること
・踵接地のデメリットは衝撃が強いこと
・膝、腰椎で衝撃を緩衝できない人はにとっては踵接地は不利になりうる
▮歩行時は爪先接地が良い?
ある書籍(下リンク)には爪先から接地した方が良いと書いてありました!
踵から接地して歩いていることが不良姿勢の原因と述べてありました。
これは今までの私の考えとは全然違うので、逆に気になって全部読みました!
この書籍の細かい内容はここでは書きませんが、著者が述べているつま先接地が良い理由は分かりました。
一つ内容を紹介すると、踵接地は足のアーチが使えないため、衝撃吸収に不利だと書いてありました。
全て賛同はできませんが、既成概念を疑い持論を転換する視点は共感がもてますし、あながち間違いでもないのです。
ここからは私見を含みますが、まずは踵接地の利点と欠点を述
▮歩行時の踵接地の利点と欠点
<踵接地の利点>
・前方への推進力が出る
・足が疲れにくい
<踵接地の欠点>
・固い地面では身体にかかる衝撃が強い
※膝の屈曲運動、腰椎前弯運動がない人は特に!
▮踵接地の衝撃についての考察
踵接地が衝撃が強いという欠点だけを見ると、歩行時の衝撃を緩衝する役割である膝の屈曲運動と腰椎前弯運動が減少している人にとっては良くないんです
歩行時の膝の屈曲運動や腰椎前弯運動が減少している人は、衝撃を和らげるという視点で考えると、すり足で歩いた方が良か
勿論、すり足だと転倒リスクが伴うので、そのあたりを考慮しない
そう考えると、すり足で歩いている高齢者は膝や腰椎で衝撃を緩衝できないため、そのような歩き方をしているのかもしれません。
各々の構造にとって、良い運動パターンがあるという解釈があります。
よって、正常パターンが良いとは限らない、とも言えます。
▮足の内側縦アーチは?
足部のアーチの中で内側縦アーチが最も衝撃緩衝に必要と言われていますが、実は内側アーチの衝撃緩衝は踵接地の瞬間では起こりません。その後のフェーズで緩衝の役割をします。
・トラス機構➡衝撃吸収に働く機構 ※イニシャルコンタクトからミッドスタンスにかけて働く ・ウィンドラス機構➡安定性の確保の機構 ※ターミナルスタンスからプレスイングにかけて働く
衝撃緩衝に関してはトラス機構ですが、ウィンドラス機構もとても有名なので覚えておくと良いと思います。
▮おわりに
ということで、はじめに紹介した本の内容をきっかけに本稿の記事を書きました。
歩行での衝撃が緩衝できない事態が蓄積されると、どこかの関節に負担がいき、痛みや変形の要因となりえます。
ここまで述べてきた様に、正常パターンへの誘導が必ずしも良いとは限りませんので、既成概念を疑う姿勢は大切です!その一例として今回は歩行の爪先接地を挙げさせて頂きました。
このような現象は臨床では多々ありますので、教科書に当ては
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【参考図書】