私は理学療法士として対象者の動きや生活を診る仕事をしていますが、海外論文の結果が日本人には適応しないことがある、というのを以前から感じていました。
先日、奥田先生の書籍を読み、やはり日本人を診るのであれば、日本人の特徴を把握しておくことが必要だと再認した為、この記事を書きます。
❏ 体質とは
<記事の要約>
・体質は遺伝的素因と環境要因がある。
・日本人は欧米人とは身体組成が異なり、なりやすい疾患が異なる。
・日本人の死亡原因第一の「がん」の原因は、日本人に身体に合っていない生活が原因の一つである。
遺伝的素因と環境要因との相互作用によって形成される個人の総合
遺伝的素因(生まれつき)だけでなく、環境要因も体質に関わるというのが面白いと思います。つまり、生活習慣の変容により体質を変えることができる、とも言えます。
❏ 欧米人と日本人の違い
日本人の特徴について以下に書いていきます。
▣ 筋肉
筋肉には白筋と赤筋が混ざって存在します。
筋肉ごとに白筋(持久性低いが、瞬間的な力は高い筋肉)と、赤筋(持久性が高いが、瞬間席な力は低い筋肉)の比率は異なります。また、人によっても比率は異なります。
この比率の話ですが、アフリカ人は筋肉全体の70%が白筋と言われていますが、日本人は筋肉全体の70%が赤筋とのことです。
この情報から日本人は短距離より長距離の方が向いていると言えます。
勿論、トレーニングにより比率を変えることは可能です!
▣ 高血圧
日本人は高血圧患者が多いそうです。これは遺伝的素因が影響している面もあります!
塩分感受性というものが高い人は、塩分を摂取すると血圧が高くなりやすいそうですが、やはり日本人は塩分感受性が高いそうです。
塩分を摂りすぎないのも大事ですが、それよりストレスによ
▣ 糖尿病
日本人のインスリンの分泌量は、欧米人の1/4~1/2のようです。つまり、欧米人より糖尿病になりやすいと言えます。
遺伝的素因に加えて、内臓脂肪がインスリンの効き目をさらに悪くするようなので、日本人でメタボの方は糖尿病によりなりやすいと言えます。
▣ 心臓尿、骨粗しょう症
日本人の死亡原因の2位である心臓病ですが、世界的にみると日本人は心臓病にはなりにくいそうです。
また、骨粗鬆症にもなりにくいとされています。
ちなみにカルシウムを摂取すると骨が丈夫になると言われていますが、食事摂取によるカルシウム摂取量と骨折発生率は相関しないという報告もあります。
▣ がん
日本人は、胃がん、肺がん、肝臓がんになりやすいと言われています。
胃がんに関しては、胃酸の分泌が欧米人の半分ということと、胃の形が縦型で胃にとどまる時間が長いことが影響しているそうです。また、欧米人のピロリ菌より毒性が強いそうです。
肺がんと、肝臓がんに関しては、喫煙とアルコールが影響しているそうです。
これは、日本人が欧米人に比べてアルコールに弱いという体質も影響しているそうです。
❏ がんについて
がんは日本人の死亡原因の第1位です(参考サイト)。
これは、長生きしている人が多い為、がん患者が多いと言われており、がんの発症率は世界的には低
日本人の特徴としては胃がんが多く、前立腺がんと乳がんは少ないとのことです。
1996年ハーバード大学の研究より、がんの原因として、成人してからの食事と肥満が30%、喫煙が30%、運動
つまり、70%は環境要因で予防できる、と述べていますが、あくまでアメリカ人を対象にして結果なので日本人に適応するか不明です。
日本の国立がんセンターが2011年に発表した「がんを防ぐための新12か条」には、1当たり前のことが書かれていますが、1~3に記載されているのが以下のものです。
1:たばこは吸わない
2:他人のたばこの煙を避ける
3:お酒はほどほどに
重要だからこそ1~3に記載しているようです!
日本人の男性のがんに関しては、3割は喫煙が原因、次いでアルコールが原因だと言われています。
飲酒と喫煙は腸内環境も変化させると言われている為、がん予防としてほどほどにしましょう!
また、乳がんは日本人は発症率が低いと書きましたが、50歳以降の乳がんが少ない為、そのような結果になっているようです。20~40代の乳がんの発症率は欧米と変わらないそうです。
原因としては、欧米食の影響が大きいそうです。
また、10代に脂肪分の多い食事をとりすぎると発生率が高くなると言われています(文献)。
10代には戻れないので、食事で発症率を減らすことが重要ですが、これは大豆が良いと言われています!
❏ まとめ
ここでは書いていませんが、体質以外にも文化の違いもありますね。
<日本人に多いタイプ> ・謙遜 ・個人主義より集団主義 ・礼儀正しい ・自己主張は苦手 ・時間を守る など
他にも色々あると思いますが、個人差も大きいのであしからず。
今まで書いたように、体質は遺伝的素因と環境要因がある為、遺伝的素因(日本人の体質)を考慮しつつ、環境要因に介入しよう、ということです。
食事に関しては、日本人には和食が良い、ということです!
味噌汁が写真にありませんが、ご了承ください。
少しでもご参考になれば幸いです。
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