▮はじめに
骨は人体に206個あると言われています(個人差あり)。
骨格という言葉があるように、骨は人体を支える構造物として知られていますが、それ以外にも重要な役割があります。
今回の記事では骨に関する知識と役割について解説していきます。
【要約】 ・骨は主にコラーゲンとカルシウムからできている。 ・骨芽細胞と破骨細胞のバランス(動的平衡)により骨が一定の状態に保たれている。 ・骨の役割は支持組織、内分泌組織、造血免疫組織、貯蔵庫です。
▮骨の構造について
骨は主にコラーゲンとカルシウムからできており、鉄筋コンクリートのような構造になっています。
つまり、コラーゲンが柱となりその周りにリン酸カルシウム結晶が蓄積されます。

人体で最も太くて長い骨は大腿骨になりますが、この骨は外側の硬い部分(緻密骨)と内側の網目状の部分(海綿骨)といった2つの部分から成り立っています(下図)。また、骨の中のフォルクマン管を動脈、静脈、やハバース菅を毛細血管が通っています。

▮骨の動的平衡
骨は「壊される」と「つくられる」のバランスが保たれることで、一定した状態に保たれます。
この状態を動的平衡状態といい、約2~4年ですべてが入れ替わると言われています。
この動的平衡を保っていいるのが、骨芽細胞と破骨細胞です。
骨芽細胞は骨をつくる細胞で、破骨細胞は古い骨を壊す細胞です。
下の図のようなサイクルで骨の代謝が行われています。

このバランスが崩れ、骨芽細胞より破骨細胞が活性化していると骨粗鬆症という骨がもろい状態になります。
▮骨の役割
先ほど述べたように骨は人体を支える役割がありますが、それ以外にも役割があるので全て解説していきます。
①支持組織
骨が硬くて丈夫なイメージがあると思いますが、骨の中に隙間があることで外部から衝撃が加わったときにクッションのような役割も果たします。
ちなみに頭蓋骨のように身体を支える部分ではない骨に海綿骨がありません。
②内分泌組織
骨からオステオカルシンと呼ばれるホルモンが分泌されます。
このホルモンは骨芽細胞がつくり、ほとんどが骨の中に留まってカルシウムを安定化させて骨形成の促進に貢献していますが、一部は血中に放出されてインスリンの分泌を促進させます。つまり、血糖値の上昇を抑える役割があります。
③造血免疫組織
骨の海綿骨の隙間には骨髄があり、骨髄はあらゆる血液細胞(赤血球、白血球、血小板など)に分化できる細胞が存在場所です。
造血が盛んに行われる骨髄を赤色髄と呼び、成人では赤色髄は胸骨、肋骨、頭蓋骨などの薄い骨や、椎骨、短骨、長骨骨端などの海綿状組織に限られてきます。
白血球は病原体の異物を排除する役割があることから免疫細胞と言われます。
よって、骨には造血機能と免疫機能があるといえます。
④カルシウムとリンの貯蔵庫
カルシウムは骨格筋や心筋の収縮から神経活動、免疫血液系の細胞の機能に関わります。
リンは細胞膜の主要な構成要素であるリン脂質、DNAやRNAなどの核酸、ATPの構成に関わります。
体内のカルシウムやリンの濃度が一定になるように生体内でコントロールされています。
このように、カルシウムとリンは体内にとってとても重要な物質ですが、骨はこれらの人体最大の貯蔵庫になっています。
▮おわりに
以上、骨に関する記事となります。
骨粗鬆症予防は骨折予防として重要になりますが、それ以外にも骨の役割を考慮すると治療・予防するべきものだと思いますので、日ごろから骨にとって良い食事(カルシウム、ビタミンD、ビタミンK)と運動を意識しておくと良いですね。
また骨粗鬆症のヒトは整形外科受診して治療することをお勧めします。
【参考書籍】
・石井優.『硬くて柔らかい「複雑系」骨のふしぎ』.講談社.2025
※イラストはイラストACを使用