理学療法士の専門性って色々ありますが、物理学的視点はその一つだと思います。
私の大学時代の研究室の教授は、
「この世の事象は物理で全て説明できる」
と言っていました。
当時の私には理解不能でしたが、今はなんとなく理解ができるようになりました。
この記事では簡単な物理学の視点からセラピーの臨床に活かす話をしていきますので、よろしければお付き合いください!
有名な物理法則などをひとつずつ取り上げていき説明をしていきます(私見含み)!
①てこの原理
これは有名な法則ですが、セラピーではかなり使用する法則です。てこの法則の説明については「こちら」をご覧いただきたいと思います。
例えば、肘関節を動かす時、手首側を把持して動かす場合は動かす側は楽に動かすことができますが、関節にとっては負担がかかっています。
つまり、肘関節を考慮するなら肘関節に近い場所を持って動かした方が良いです。
また、介助を行う際でも支点をつくり、てこの原理を用いて行うと楽に行えることは多々あります。
②慣性力
ニュートンの第二法則にある「F=ma」より、加速度が大きいほど力が大きいことがわかります。
例えば、前方に早く動けば、後方への慣性力をもらう為、上半身が起きますし、急激に止まれば後方に加速度が切り替わる為、前方へ上半身が倒れます。
この辺りの法則を頭に入れておけば転倒予防や動きの質の向上につながります。
③位置エネルギー
位置エネルギーは、質量と高さに比例します。つまり、高い場所に物体があるほどエネルギーをもつことになります。ジェットコースターがわかりやすいと思いますが、高いところから傾斜で下がっていくときは高い場所から下っていく時ほどエネルギーを持ちます。歩行でいえば、膝がしっかり伸びて重心が高くなることで前方への推進力を得ることができます。逆に膝が伸びずに歩く時はこの位置エネルギーを使えない為、筋力を使用するしかないことで疲れやすくなります。
参考ブログ(https://ameblo.jp/kajikaji2012/entry-12109841439.html)
④電磁波
もっと言うと触らなくても電磁波は発生するため何らかの変化がで得ると言えます。
「圧力×体積/絶対温度=一定」という式があります。
鼻呼吸の話をすると、鼻から吸うと鼻奥の毛細血管で空気が暖められるため、暖たかい空気が肺に入ります!
よって、温度が上がると圧が上がるため、空気の入りが良いということです!
また、腹式呼吸の話をすると、吸う時、横隔膜が収縮し腹内の体積が小さくなることで、腹圧が上がります。身体内で体積が小さい箇所は圧が高いため、この圧を取ることで体積が大きくなります!色々臨床に活かせそうですね!
参考ブログ(https://ameblo.jp/kajikaji2012/entry-12108782872.html)
⑥構造力学
トラス構造という三角形の形があります。橋、建物、自転車のフレームなどで使われています。
外力に対する抵抗性が強い利点がありますが、揺れに弱いという欠点がある構造です。
次にラーメン構造という四角形の形があります。
これは横からの抵抗には弱いのが欠点です。
引用(http://d-engineer.com/Mechanics/truss.html)
⑦フラクタル
フラクタルとは、簡単に言うと、部分と全体が相似関係にあるってことですが、人の身体だけでなく、社会構造、宇宙構造、もこのような考えで説明ができるとされています。
人の身体で言えば、足のリフレクソロジーも同じような考え方ですし、部分を見て全体を推測できるという臨床推論も当てはまります。
参考ブログ(https://ameblo.jp/kajikaji2012/entry-12107412525.html)
⑧拡散
拡散は、濃度の高い方から低い方に移動、圧力が高い方から低い方に移動が基本です。
拡散を臨床に応用すると、圧の低い箇所の圧をあげる事で、圧が均一化します!また、圧が高いところを開放すると圧が均一化します。
参考ブログ(https://ameblo.jp/kajikaji2012/entry-12107814896.html)
⑨量子力学
この話をするとキリがないと思いますのでここでは割愛します。
遠隔治療、エネルギー療法とかはこれで説明がつくとされています。ネットで検索するとたくさん出てきますので興味のある方は調べてみてください。
▮おわりに
いかがでしょうか?少し難しい内容もあったかと思いますが、いろいろ物理学を身体(臨床)に当てはめてみると面白くないですか?
解剖、生理、運動学がセラピストの大事な学問だと言われていますが、物理学も大事だと思ってもらえれば幸いです。
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