▮はじめに
筋肉の主成分はタンパク質ですが、健康のためにタンパク質を摂取することは栄養の観点から大変推奨されています。
この記事では、タンパク質を摂取するタイミングに関する最新の知見について述べていきます。
▮タンパク質とは
タンパク質とは筋肉をはじめ、臓器、血液、皮膚、髪、歯、爪など、体のあらゆる組織をつくる材料になる栄養素です。
加えて体の機能を調整するホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質などの材料でもあり、免疫や代謝、血圧の調整、神経機能の維持などにも重要な役割を果たしています。
▮タンパク質を摂取するタイミングについて
以前は筋力トレーニング後の30分以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、この30分を逃すと効果が激減すると考えられていましたが、最近は広い視点で捉えられています。
1. 「30分以内」の考え方の変化
以前の定説は、 運動後30分〜45分以内に飲まないと筋肉にならないと言われていました。
しかし、現在の主流は筋合成が高まる状態は運動後24時間〜48時間ほど続くことがわかっています。そのため、30分を少し過ぎたからといって筋トレが無駄になることはありません。
2. タイミングよりも重要なこと
2025年のメタアナリシスによると、タンパク質摂取のタイミング(運動前、運動後)は全体に筋肉量の増減に大きな差はみられなかったとのことです(Casuso&Goossens.Nutrients.2025)。
最新のスポーツ栄養学では、以下の優先順位が推奨されています。
❖<1日の総摂取量> 自分の体重×1.6g〜2.2g程度のタンパク質を1日で確保すること。タイミングより総摂取量が重要。
❖<摂取の分散> 一度に大量に摂るのではなく、3〜5時間おきに20g〜40gずつ分けて摂取することで、常に血中のアミノ酸濃度を高く保つのが理想的です。
❖<トレーニング前後の食事>空腹状態で筋トレをする場合は、筋分解を防ぐために運動直後の摂取が極めて重要です。
運動の1〜3時間前にバランスの良い食事を済ませているなら、体内にアミノ酸が残っているため、運動直後に急いでプロテインを飲む必要性は低くなります。
3. 2026年時点の推奨
タンパク質摂取は以下の3つのタイミングが推奨されています。
❖<朝食時> 就寝中に枯渇したタンパク質を補給するため、朝の摂取は非常に有効です。
❖<筋トレ前後> 運動の1〜2時間前に軽食、または運動後1時間以内にしっかり補給するのがスムーズです。
❖<就寝前> 寝ている間の筋肉修復を助けるために有効なタイミングです。
結論として、筋トレ「30分以内」にこだわって焦る必要はありませんが、栄養補給を忘れないための目安として活用するのは良い習慣と言えます。
注意:今後新たな知見が出てくるかもしれませんので、情報のアップデートは常に必要になります。