未分類

転倒に関する疫学や原因について

はじめに

転倒は2022年の国民生活基礎調査によると、要介護状態になった要因の1位認知症、2位脳卒中、3位骨折・転倒、要支援状態になった要因の1位骨関節疾患、2位衰弱、3位骨折・転倒という結果になっているように、転倒は痛みを伴うだけでなく、それをきっかけけに生活の変化をもたらし、QOL低下を招くものと言えます。

今回は転倒に関する基礎的な情報のまとめとなりますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

転倒の定

転倒の言葉の定義について簡単に述べておきます。
様々な定義が存在しますが、Kellogg International Work Group が提唱した「不注意に地面あるいは他の低い位置に倒れること。激しい強打を被る場合、意識喪失、脳卒中など突然の麻痺の発症、てんかん発作などを除く。」が一般的に使われます。

上記の定義でいうと、歩行中に危険を察知し自ら座り込む行為や、脳の影響で倒れた場合は転倒ではないということになります。

転倒の疫学

東京消防庁のホームページに掲載されている転倒の報告によると、転倒した人の60.4%が屋内とのことで、転ぶ場所は以下の通りとなっています。

1位 居室・寝室
2位 玄関・勝手口
3位 廊下・縁側・通路
4位 トレイ・洗面所
5位 台所・ダイニング・食堂

そして、転倒したものの約4割が入院が必要な状態とのことです。
さらに転落した事故は以下の通りになっています。

1位 階段
2位 ベッド
3位 椅子
4位 脚立・踏み台
5位 エスカレーター

転落したものも約4割が入院が必要な状態とのことです。

時間帯では入院・入所中の転倒は深夜2時から朝8時間が多く、在宅高齢者の転倒は7~8割が日中とのことです(解良武士.埼玉理学療法.2002)。

転倒状況は饗場の報告では、歩行中の転倒が最も多く、次いで歩き始めと立ち上がり時に多いとのことです(饗場 郁子.IRYOU.2016)。

転倒の原因

転倒の原因は各々異なりますが、大きく分けると以下のような要因に分けられます。

<内的要因>
・運動要因:筋力、持久力、骨関節機能、協調性、心肺機能、視覚機能
・高次機能:注意、意識、認知

<外的要因>
・環境
・時間的要因

運動要因の中で下肢の筋力低下は特に転倒と関連が強いと言われています(上野めぐみら.日本老年医学会雑誌.2006)。
また、足指の把持力低下足関節背屈角度の低下がみられると転倒しやすいという報告もあります(村田伸ら.理学療法学.2005)。

内部要因に含まれると思いますが、服薬を多くしている人ほど転倒しやすいと言われており、特に鎮静剤睡眠薬抗うつ剤トランキライザー降圧剤を使用している人が転倒リスクが高いと言われています(Cummingら.1985)。

転倒リスクを評価する方法

一般的に言われている転倒リスクを把握するための検査方法を紹介します。

①Berg Balance Test:50点以下で転倒リスク高い
②Timed up &Go test:12秒以上で転倒リスク高い
③5回立ち上がりテスト:12秒以上で転倒リスク高い
(Michelle M Lusardi et al.J Geriatr Phys Ther.2017)

どのような検査かはここでは割愛しますので、興味のある人はネットで調べてみてください。

また、質問で転倒リスクを把握するFall Risk Indexというものを紹介します(東京都健康長寿医療センターHP)。

「はい」が10個以上あると転倒しやすいと言われており、もちろん「はい」が多い程、転倒しやすいということになります。

おわりに

以上で転倒に関する疫学や原因に関する記事となります。最後までお読みいただきありがとうございました。
転倒したら必ず骨折するわけではなく、むしろ骨折するのは数%です。
転倒に対する恐怖心が強くなりすぎた結果動く機会が減少し筋力低下などが起こるケースもありますので、転倒リスクを把握しつつしっかり動きましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です