医療情報関係

急性腰痛から慢性腰痛に移行する要因を3つ紹介

はじめに

急性腰痛、いわゆるぎっくり腰になると治るか不安になりますが、おおむね2週間で治ると言われています。
しかし、急性腰痛から慢性的な腰痛が残ってしまい、慢性腰痛に移行するケースがありますので、今回はそれを紹介したいと思います。

急性腰痛から慢性腰痛に移行する要因

2021年Joel M Stevansらの報告によると、32%急性腰痛から慢性腰痛に移行すると述べられています。
個人的にはとても多い割合だと思いました。

そして、慢性腰痛に移行する要因としては、以下の3つが関連が強いと述べています(参考文献)。

・肥満
・喫煙
・うつ/不安症状

肥満は万病のもと

肥満は糖尿病、高脂血症、高血圧、などになりやすく、狭心症、心筋梗塞や脳卒中の原因になります。また、乳がん、子宮体がん、大腸がんの原因にもなるため、「肥満は万病のもと」といえます。
肥満の人は血管内に塊ができやすくなり、いずれ動脈硬化となる可能性が高いと言われています。
よって、体内の血行(循環)が悪くなることから腰痛が慢性化しやすいと考えることができます。

喫煙と動脈硬化

古くからたばこの本数が多いほど、また喫煙の期間が長いほど動脈硬化疾患の危険は増大し、喫煙と他の危険因子が共存すると動脈硬化疾患の危険度はさらに増加するといわれています参考文献参考文献)。

動脈硬化により体内の血行(循環)が悪くなることから腰痛が慢性化しやすいと考えることができます。

うつと不安症状

うつ症状がある人は慢性疼痛患者に多いと言われています。
痛みによりうつ状態になると脳内のドパミンが放出されなくなり、わずかな痛みでも強い痛みを感じるようになるようです(参考サイト)。

また、不安を感じるときは交感神経が優位になると言われていることから、うつや不安症状になると体内の血行が悪くなると思われます。

おわりに

万が一、急性腰痛になったら2週間でしっかり治すことが大事になると思います。
体内の血行が悪い人は痛みが慢性化しやすいので日頃からのケアが必要ですね。
元々、肥満傾向の人、喫煙習慣のある人、精神的ストレスを抱えている人は慢性腰痛に移行しやすいので注意が必要になります。

 

参考文献】
・Joel M Stevans et al,Risk Factors Associated With Transition From Acute to Chronic Low Back Pain in US Patients Seeking Primary Care,JAMA,2021
Relationship of blood pressure, serum cholesterol, smoking habit, relative weight and ECG abnormalities to incidence of major coronary events: final report of the pooling project. The pooling project research group,1978
Holbrook,J.et al,
Cigarette smoking and cardiovascular diseases. A statement for health professionals by a task force appointed by the steering committee of the American Heart Association,1984
・NHK健康CH,慢性腰痛とは?ストレスやうつなどの精神的要因が痛みを招く

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