▮はじめに
踵が痛くなると歩行に支障をきたすため、踵の痛みがある人は毎日悩んでいるかと思います。
この記事では踵の痛みの原因とその対処法について書いていきます。
【要約】
・踵の痛みの原因は病気によるものと内臓によるものがあります。
・足底筋膜炎、アキレス腱炎ともにアキレス腱ストレッチが有効。
・踵への負担を減らすためにインソールの活用、体幹・下肢筋力強化も必要。
▮踵の痛みの原因
▮病気による原因
・足底腱膜炎:足の裏にある足底腱膜が炎症を起こす病気で、肥満や扁平足、足首が固い人に多くみられる
・アキレス腱付着部症:アキレス腱と骨の付着部に炎症が起こる病気
・踵骨疲労骨折:運動や転倒などによってかかとが骨折する病気
・シーバー病(踵骨骨端症):踵の骨の端骨(踵骨骨端核)がはがれたり、その手前の成長軟骨に炎症が起こったりする病気
・痛風:尿酸が結晶となって炎症を起こすことで、かかとに痛みが出る場合がある
・全身の浮腫(むくみ):心臓、腎臓、肝臓の機能が低下する病気が原因で生じることがある
個人的には足底筋膜炎が最も多いと思っています。
▮足底筋膜炎による踵痛の対処法
足底筋膜炎とは、足裏の足底筋膜の付着部である踵に小さな傷や変性が起きることで踵に痛みが出現する疾患です。
歩き、ジャンプ動作、つま先立ちなどをやりすぎると上記部分に負担がかかり小さな傷が起こり炎症になり痛みが出現する可能性があります。
▮対処法
①インソール
内側アーチ(土踏まず)を支えるようなインソールを靴に入れることで足底筋膜への負担が減少するため痛みが軽減する(Lee et al.Phys Ther Sports.2009)。
②ストレッチ
下腿三頭筋(アキレス腱)と足底筋膜のストレッチにより痛みの改善が期待できます(David Porter et al.Foot Ankle Int..2002/ Joel A Randford et al.BMC Musculoskelet Disord.2007)。
(図:アキレス腱ストレッチ)
(図:足底筋膜ストレッチ)
▮アキレス腱炎による踵痛の対処法
アキレス腱炎は、アキレス腱に負担がかかり炎症が起きて痛みが出現する疾患です。ランナーに多くみられる疾患として知られています。
▮対処法
①安静
まずは痛みが落ち着くまで2~6週間は激しい運動は避けた方が良いです。
②下腿三頭筋のストレッチ
③体幹強化、下肢筋力強化
アキレス腱に負担がかからないように体幹や下肢筋力の強化を図るのが治療と予防につながります。
▮踵骨疲労骨折
踵骨が疲労骨折する場合がありますが、この場合骨折する部位は様々ですが下図のように踵の端で骨折する人が多いです。
▮対処法
程度によりますが、4~6週間免荷して生活をし、その後徐々に荷重をかけていきます。
その後は再発しないように、インソールの利用、体幹・下肢筋力強化、運動強度の調整などを行っていきます。
▮シーバー病(踵骨骨端症)
これは成長期の子供の踵の端が剥がれたりして炎症を起こす疾患です。
※赤線辺りが骨端部
▮対処法
基本的には踵骨疲労骨折と対応はほとんど同じになります。
よって、痛みがあるときは安静、アイシング、テーピング固定などをし、インソールの利用、体幹・下肢筋力強化、運動強度の調整、アキレス腱ストレッチなどを行っていきます。
▮おわりに
以上、踵の痛みについての記事となります。
今回は内臓の原因については詳しく述べませんでしたが、多くの場合は足底筋膜炎、アキレス腱炎によるもので、痛みの度合いが強い場合は骨折の可能性もあり、シーバー病は子供の場合が多いです。
少しでも参考になれば幸いです。