医療情報関係

背外側前頭前野とは?

はじめに

脳はまだまだ解明されていないことが多い部位ですが、研究分野では年々進んでいる分野でもあります。
今回は背外側前頭前野という脳の部位についての記事になります。
この部位を活性化することはとても有益なので最後までお読みいただけるとありがたいです。

背外側前頭前野とは

前頭前野はヒトで最もよく発達した脳部位で、思考創造性などの高次脳機能を担う脳の最高中枢と言われています。また、作業記憶思決定も前頭前野が担う機能としてよく知られています。

そして、前頭前野でも部位によって機能が異なりますが、背外側前頭前野機能ワーキングメモリ認知的柔軟性計画抑制推論などの実行機能です。部位は以下の図のような脳の場所となります。
ちなみに背外側前頭前野は、Dorsolateral prefrontal cortexと英語で書き、略してDLPFCと言われます。

ワーキングメモリとは

ワーキングメモリとは作業に必要な情報を一時的に保存し処理する能力のことで作業記憶ともいわれます。また、ワーキングメモリはDLPFC以外にも海馬、歯状回大脳基底核なども活動すると言われています。

背外側前頭前野に関する研究報告

調べてみると背外側前頭前野に関する報告はたくさんありますが、いくつか抽出して以下に示していきますのでご参考ください。

①快刺激を予測すると左背外側前頭前野が活動する
予測可能条件では予測不可能条件と比較して,前頭前野の領域(内側前頭前野,下前頭前野,背外側前頭前野)で有意な活動上昇を認めた(図 2).特に快刺激を予測している時には,左背外側前頭前野,左内側前頭前野,右小脳の活動が認められた(岡本 泰昌,日薬理誌,2005)。

②側坐核との関連に関する報告
報酬(今回の研究ではお金)を期待する際、「側坐核(そくざかく)」と呼ばれる脳領域の活動が高い人ほど、嘘をつく割合が高いことがわかった。
さらに、側坐核の活動が高い人ほど嘘をつかずに正直な振る舞いをする際に背外側前頭前野の活動が高かった(Nobuhito Abe,Journal of Neuroscience2014)。

③疲労の予測をする際に背外側前頭前野が強く活動する
健康な男性16名を対象に、1時間後の疲労の程度を予測する課題と現時点での疲労の程度を自己評価する課題を実施した結果、右大脳半球の縁上回、背外側前頭前野、前頭極などの脳部位が疲労の予測に関わっていること、さらに、日常疲労の程度が高い人ほど背外側前頭前野がより強く活動していることが明らかになった(Akira Ishii,,et al,Scientific Reports,2016)。

背外側前頭前野がメタ認知に関与している可能性あり
13 頭のマカクサルの背外側前頭前野 を損傷すると、空間認知能力は損なわれなかった一方でメタ認知的な能力が選択的に阻害された(Kwok et al., ournal ofNeuroscience,2019)。

⑤二重課題の運動時に背外側前頭前野が活性化する
超小型脳活動センサーを着用してリアルタイムでの背外側前頭前野の脳活性度を測定した結果、二重課題の運動プログラム時に背外側前頭前野の活動が活性化された(安光達雄,日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 71,2021)。

⑥ノリが良いリズムに親和性が⾼い⼈はリズムを聴くだけで脳の実⾏機能が⾼まった
有酸素運動は軽い強度であっても脳の前頭前野背外側部を刺激しその実⾏機能(注意・集中・判断など)を⾼めるが、ノリが良いリズムに親和性が⾼い⼈はリズムを聴くだけで脳の実⾏機能が⾼まった(Takemune Fukuie,et al,Scientific Reports,2022)。

 

他にもたくさんあると思いますが、この記事ではこのくらいにしておきます。

まとめると、背外側前頭前野はワーキングメモリ、予測など人間の社会生活に重要な脳機能を担っている部位なので、様々なことで活性化するみたいですね。

背外側前頭前野を活性化させるとどんな効果があるの?

この部位を積極的にアプローチしているのが脳トレで有名な川島隆太先生が所属している法人()になるかと思いますが、ここでは、頭の回転、注意力、予測力を鍛えることで運転能力向上を図るコンテンツや、ストレス緩和サポートのコンテンツ、学習能力を高めるコンテンツなど様々なものを展開しています。

人間生活に重要な機能を担っている部位なので、背外側前頭前野を活性化することは心身にとっても生活にとっても良いものと思われます。

おわりに

背外側前頭前野が活性化すると運動機能、学習機能、ストレスコントロールなど多岐にわたり良いことがあるそうです。
予測、二重課題、有酸素運動この部位が活性化している人は、いわゆる頭の回転が良く効率的に行動できるんだと思います。
興味のある人は川島先生の会社のコンテンツを見てみると良いと思います。

 

 

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