医療情報関係

高血圧症に対するアプローチ~薬物療法以外で~

はじめに

高血圧症は日本では推定4300万人いると言われおり、そのうち3100万人が管理不良と言われている現状です(参考文献①)。高血圧は様々な生活習慣病(脳卒中、心筋梗塞など)のリスク因子となるため、治療と予防が必要となります。

高血圧はガイドラインによると、診察室での血圧が収縮期血圧140~ かつ/または 拡張期血圧90~で高血圧、自宅では収縮期血圧135~ かつ/または 拡張期血圧85~で高血圧と診断されます。

高血圧に対する治療は薬物療法が一般的ですが、今回は薬物療法以外のアプローチについてまとめてみました。

【要約】
・薬物療法以外は運動療法と食事療法が基本となる。
・運動療法は有酸素運動とストレッチが有効である。
・食事療法は減塩が基本である

高血圧症に対するアプロ―チ

薬物療法以外で高血圧症に対するアプローチは運動療法と食事療法がメインとなります。

運動には血管に対する弛緩効果と、老化に伴う動脈の弾性力の低下を防ぐ効果があって、これらの効果が血管の拡張性を保持ないし高めます。

①有酸素運動

✔ 頻度 : できれば毎日(60分なら週3日での良い)
✔ 持続時間 : 30分以上
✔ 強度 : Vo2max の50%程度
✔ 種類 : ウォーキング(早歩きも良い)、自転車など 
  (参考文献②)

高血圧患者は、朝より夕方の有酸素運動の方が高圧効果が高いと言われています(参考文献③)。

②ストレッチ

対象者が40名の中高年男女(平均年齢61歳)、期間を8週間と設定し、ある群には1日30分週5日の全身ストレッチを、別の群には同じ時間と頻度で活発なウォーキングを割り当てた結果、ストレッチ群がウォーキング群よりも有意に血圧が低下した、という報告があります(参考文献④)。

ストレッチは筋肉、筋膜だけでなく、血管もストレッチされるので効果があると言われています。

③食事療法

これはご存じの通り基本的には減塩という対応になります。

✔ 減塩(1日6g未満)
✔ 野菜・果物の積極的摂取
✔ コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
✔ 魚油の積極的摂取を行う
✔ アルコールを控える
(参考文献⑤)

おまけ:NOを増やす
NHKのためしてガッテンで放送されていたのですが、NO(一酸化窒素)が血管を拡張し、結果的に血圧を下げると述べられていました。

NOを増やす方法としては、リンク先をご参照下さい(リンク)。

おわりに

以上、高血圧に対する薬物療法以外のアプローチでした。
基本は運動と食事ということですが、ストレスによる高血圧もありますので、それに関してはストレス因子を除去するか、リラクゼーションなどのアプロ―チが有効になるかと思います。

高血圧を予防することで生活習慣病を予防し、健康寿命を延ばしますよう!

【参考文献】
①高血圧治療ガイドライン2019
②高血圧治療ガイドライン2014
Leandro C Brito,et al,2019(PMID:30489494)
Jongbum Ko, et al,2020(PMID:33338988)
⑤e-ヘルスネット

高血圧症を改善するための運動


 

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