姿勢関係

膝立ち(Kneeling)はどの筋肉が働くのか?リハビリテーションでは有効か?

はじめに

膝立ちという姿勢をご存じでしょうか?
身体のリハビリテーションの場面ではよく使われる姿勢ですが、一般的には案外知られていない姿勢かと思いますので、この姿勢がリハビリテーションで使われる理由などを開設していきたいと思います。

【要約】
・膝立ちは立位より身体重心が低く、足部を除外して姿勢である。
・膝立ち姿勢保持は、大殿筋、脊柱起立筋、腹直筋、半腱様筋の活動が高い。
・膝立ち姿勢は股関節~体幹を選択的にアプローチするには有効かもしれない。

膝立ち姿勢とは

膝立ち位とは「膝関節90°屈曲,上半身を直立し,上肢を体幹側につける姿勢」と定義されており、以下の写真のような姿勢のことです。

これは、立位と比べ身体重心が低く足関節の影響を除外するという特徴をもちます。
よって、立位の前段階の練習として、股関節をダイレクトに使う練習として用いることがあります。
しかし、立位はできても膝立ちはできない、という人もいるように、膝立ち姿勢の方が簡単というわけではありません。

次に膝立ち姿勢の筋活動について説明します。

膝立ち姿勢の筋活動

中村らの報告()によると、膝立ち位において脊柱起立筋腹直筋大殿筋半腱様筋は立位より活動が高いとのことです。

また、二ノ神らの報告()によると、膝立ち位からの前方へのステップ動作は、ステップ側の中臀筋支持側の長内転筋活動が大きいとのことです。

膝立ち姿勢でどの筋肉を狙いたいかを考えて行うとより効果的かもしれませんね。
次にリハビリテーションへの応用について述べたいと思います。

膝立ち姿勢のリハビリテーションへの応用

ここは個人的にな見解になりますがご了承下さい。
股関節の筋肉(大殿筋、中殿筋)を選択的に狙いたい場合は効果的かと思います。
また、星は体幹機能を以下の3つで捉えて発達過程の変化を述べています(参考文献)。

①抗重力性
②支持性
③運動性

これらの体幹機能を考慮すると膝立ち姿勢は重心が立位より低いですし、足部を除外できるので、立位より股関節~体幹の支持性を鍛えることができると考えます。
さらに膝立ち姿勢で歩く(膝歩き)ことも股関節~体幹のトレーニングとして良いと思われます。

以上、膝立ちの記事となります。

 

【参考文献】
・中村香織ら,膝立ち位における筋活動の特性,2005
・二ノ神正詞ら,膝立ちからの一歩踏み出し動作のメカニズム,理学療法学,2016
・星文彦,体幹の機能,理学療法,2009

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