▮はじめに
一生の内、腰痛を経験する人は85%と言われています(Cassidy JD. T.1997)。
そして日本の調査では40歳以上の人で腰痛を抱えている人の割合は、男性34%-女性39%もいると言われています(Yoshimura N.2014)。
腰痛の中でも急に痛くなる腰痛(ぎっくり腰)を経験したことがある人も多いと思いますが、これ
実は私もぎっくり腰になったことがあります(笑)。パン工場でコンビニに送るパンをケースに詰めて運ぶという仕事していた時にぎっくり腰になりました。
その日は歩けない程痛かったですが、なんとか帰ったのを覚えています。翌日からは仕事に行けない為、退職となりました。
よって、ぎっくり腰がきついことは良く分かります。
この記事ではぎっくり腰について書いていきます。
【要約】 ・ぎっくり腰は筋肉の問題、仙腸関節の問題、その他の問題に分かれる ・筋肉の問題に関しては上殿皮神経、腸腰筋、腰方形筋が多い ・仙腸関節は緩みの姿勢を強めている筋肉をほぐすと良い ・その他の問題としては、ヘルニア、すべり症、靭帯損傷などが考えられる。 ・ぎっくり腰になっても恐怖に支配されないことが大事。除痛を図りながら適度に動こう。
▮ぎっくり腰(急性腰痛症)
大きく分けると3パターンあります。
①筋肉の問題
②仙腸関節の問題
③その他の問題
この記事ではぎっくり腰のこの3パターンについて書いていきますが、私見も多く含みますので、この情報の取り扱い方は自己責任でお願い致します。
▮筋肉の問題
多くの場合、ぎっくり腰が発症する前から腰回りの筋肉に疲労が溜
何らかの動作とは、
⚫︎立って前に手を伸ばす
⚫︎床のものを拾う
などの前傾姿勢の時に起こりやすいです。
これでぎっくり腰になる人は、腰と骨盤の動きがうまく行っていな
※腰椎骨盤リズム(Cailliet,1998) 腰椎は一椎骨辺り8〜10度屈曲するため全体で45度屈曲します。それ以上は骨盤(股関節)の動きが必要になります。腰椎と骨盤の動くタイミングや割合は色々な説があります。 ●腰椎:骨盤=2~3:1の割合で動く(岩崎富子,1977)。 ●体幹屈曲時、50~60度までは腰椎の動きが主で、それ以降は骨盤の動きが主(岡田,1970)。 と言われていることから、腰椎から動き、後に骨盤が動くのが正常だと言えます。
<好発部位> ※私見を含みます。
・上殿皮神経領域:上殿皮神経とは第11胸椎~第5腰椎の神経から下外側へ走行し胸腰筋膜を貫通して臀部に行く感覚神経のこと(金,2016)。
※赤線が上臀川神経(下手ですいません)
・腸腰筋
・腰方形筋
▮仙腸関節の問題
仙腸関節は異論があるかもしれませんが、ここでは取り上げておきます。
仙腸関節には緩みの姿勢と締まりの姿勢があります。
仙腸関節が緩みの肢位になるとぎっくり腰になりやすいと想像できます。
緩みの肢位とは、腸骨前傾ー仙骨後傾のパターンです。
私見を含みますが、この状態を作ってしまう筋肉は、
●腸骨前傾:腸骨筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋、縫工筋、脊柱起立筋
●仙骨後傾:大腰筋、骨盤底筋、腹直筋
が挙げられます。これらの筋肉をほぐすと楽になることが多いです!
※仙腸関節の記事はこちら➔https://therapyfreak.com/2018/08/25/sacroiliac/
▮その他
●ヘルニア
背骨と背骨の間の椎間板からゼリー状の組織が神経の通り道に出てくる疾患です。
椎間板の構造を考えると屈曲が一番危険ですが、これに捻りが加わ
通常は1〜2ヶ月で落ち着きますが、それでも改善しない場合もあ
●すべり症
背骨がずれることで神経を圧迫し、痺れや痛みなどの症状が現れる疾患です。
●棘上靭帯、棘間靭帯損傷
脊柱の靭帯の損傷のことです。足の捻挫のようなものですね。
※赤色が棘上靭帯、水色が棘間靭帯
▮対処方法
多くのぎっくり腰は放っておいても1〜2週間で改善しますので、あまり怖がらないこ
痛い時は、
⚫︎コルセット
⚫︎キネシオテーピング
がオススメです!
そして、除痛して適度に動くのが良いです。
また、予防としては以下の事が重要だと思われます。
・身体の疲労が残らないようにする
・筋肉のアンバランスが強くならないように日頃からケアしておくこと
・知識を入れておくこと
上記のような対応を紹介しましたが、大きな怪我になっている可能性もありますので、心配な人は受診をした方が良いです。また、2週間たっても改善しない場合も受診した方が良いです。それか当サロンのような整体もいいと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
※執筆者のサロンはこちら➔https://www.reha-me.com/
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